先端技術とその周辺

ITなどの先端技術サーベイとそれを支える諸問題について思う事をつづっています。

最高の評価を受けつつあるジャガー I-PACE

2018年06月24日 23時19分12秒 | 日記

 

ForbesがSUVではジャガーの新型 I-PACEが美しく、テスラと激しい競争をするだろうと報じていた。I-PACEには90kWhのバッテリーが動かす2つの電気モーターがある。つまり、モーターは前輪1つ、後輪1つという4WD駆動形式だ。このシステムは394psを発揮するという。値段は630万からという。EVはモーターとバッテリーが基本なので、デザインが決め手になる。日本のメーカーも一般向けEVを出すことは大切であろうが、デザインの優れたスペシャルEVカーをだし、世の中からの評価を勝ち取ることも必要であろう。写真を見ても、エンジンルームがちいさくてすむから、SUVといえどもすっくりしたデザインにできる。日本メーカーのデザイン、だいぶ良くな手散るが、まだまだ世界から評価されるには至ってない。機械性能だけでなくデザインも世界のトップをいててょ椎ものだ!

ジャガー I-Pace

100年も前から美しいクルマを産み出し続けているカーメーカーといえば、間違いなくジャガーだろう。XK120からマーク2、XJ-6、Fタイプ、XJS、Dタイプ。そしてついに潮流を変えるべく登場したEタイプは、もちろん自動車のスタイリングの頂点に立つモデルだ。

まったく新しい、ピュアEVのジャガーI-PACEは、このブランドの流れを変えるだけでなく、EVというジャンルさえも変える存在だ。ジャガーにとって、I-PACEは初のEVであり、またラインアップを増やしているクロスオーバーというジャンルの最新車種。そして、スタイリングとパフォーマンスの両方で、あのテスラに挑戦するモデルだ。

実際、1961年に当時のクルマのデザインの概念を覆した伝説のEタイプ以来、ジャガーのもっとも重要な1台と言っても過言ではない。そして、同ブランドのピュアEV用の新しい「スケートボード・アーキテクチャ」を初めて採用している。このプラットフォームは、これからジャガーが作る全てのEVに採用されていくことになるだろう。



これまでエンジン・ルームには大きなエンジンがあるものだったが、エンジンがないお陰で、デザイナーはI-PACEのフロントをよりスッキリと、カッコよくコンパクトにするという贅沢が許された。

スタンスが筋肉質でオーバーハングが短いスタイルとなったI-PACEには、今のところ敵はいない。つまり、アウディ、BMW、メルセデス、ポルシェ、さらにフォルクスワーゲンまでが参入して、やがてにぎやかになる高級SUV系EVというセグメントとはこういうものだと、I-PACEは定義してみせたのだ。

I-PACEには90kWhのバッテリーが動かす2つの電気モーターがある。つまり、モーターは前輪1つ、後輪1つという4WD駆動形式だ。このシステムは394psを発揮し、トルクは696Nmと半端なし。これで、フレームはガッツリと2.2トンもありながら、ドライバーを満面の笑顔にすることができる。

ところで、どの国や地域に住んでいるかによって航続距離の計測に差はあるが、I-PACEはヨーロッパなら現実的に298マイル、アメリカ環境庁によれば238マイルというところ。ちなみに、日本での航続距離は、450km以上になるらしい。
 
 
今、市販されている美しいEVとして、I-PACEはテスラ・モデルSと競うことになる。もちろん、バカ速(ルディクルス)モードを備えたテスラ・モデルXほど速くはないとはいえ、静止状態から時速100kmまでわずか4.8秒と立派なもの。

撫でるように軽くアクセルを踏むだけで、即座に加速し、4WDの安定性が目立つ。ちょっと眉をしかめたのは、EVだからエンジン音がないのを補おうと付けられた合成音で、「穏やか」と「ダイナミック」という2つのモードがある。でも、こんなに美しいEVだからこそ購入し、EVだから静粛だと知っていれば、わざわざこの人工的な音は必要だろうか、疑問に思う。当然、僕はすぐに切ってしまった。

でも、驚いたのは、I-PACEの走りだった。I-PACEは、フレームの低い位置に2つの電気モーターとインバーター、バッテリーパックを収めているので低重心で、コーナリング中もロールせず、フラットな体勢を保つことができる。ステアリングは中心では軽く感じるものの、左右に傾けるほどに気持ちよい重さがあり、しっかりとしてニュートラルで、ステアリングフィールが正確だ。

そう、テスラ・モデルXのステアリングを凌ぐと言ってもいいくらいだ。コーナリング中は、モーターたちが賢く前後のトルク配分を調整し、最大のトラクションを保ち、ドライバーの選んだラインをキープしようとする。



ここまで褒めるなら、I-PACEは完璧なSUVなのか? というと、そうとは言いきれず、テスラ・モデルXも同様だが、ブレーキはI-PACEのアキレス腱だ。

初期のペダル・フィールは柔らかく、踏む途中からペダル剛性が増すが、多少合成的ではあると言える。もちろん充分利くけれど、慣れるのに少し時間がかかる。

一方、独特の運転方法もある。日産リーフなどと同様、I-PACEもスロットルから足を外すと、自動的に減速して自然に停まる方式のアクセルペダルを採用している。やりながら慣れなくてはならないが、たいていの状況ではペダル1つの操作ですむから、分かってしまえば問題ない。それに、将来のEVではこれが標準になることを覚えておいて欲しい。

テスラが登場して以来、同社が作った高級SUV系EVというニッチ(市場隙間)に参入した者はほとんどいなかった。そこへI-PACEが挑戦状を叩きつけた。イーロン・ムスクからスポットライトを奪うことはないだろうが、モデルX 75Dより100万円安く、630万円程度(米国での比較)のI-PACEは当然、選択肢の1つだ。

特にテスラ・モデル3が生産量で苦戦している今、I-PACEは強敵となるに間違いない。販売開始は来年の春以降だそうだ。

日本の外航海運会社が運行する船では、パナマ籍がじつに61.3%

2018年06月24日 23時12分37秒 | 日記

乗り物ニュースというサイトが報じていた。日本、そして世界の海運会社が、船籍を自国ではなく、あえてパナマなどに置いているケースがあるといいます。世界的な海運の動きをまとめた日本海事広報協会(東京都千代田区)の年報「SHIPPING NOW 2017-2018」によると、世界の船舶はパナマ籍が最も多く17.7%、日本の外航海運会社が運行する船では、パナマ籍がじつに61.3%を占めます。なぜ、わざわざ他国に船籍を置くのでしょうか。

 このように、ある国の会社が船籍を他国に置くことを「便宜置籍」といいます。海運の業界団体である日本船主協会のウェブサイトではその理由について、「船にも人間と同じように国籍があり、登録した国の法律によって制約と保護を受ける。しかし、その内容は国によってまちまち。そこで、より有利な条件を持つ国に便宜的に船籍を移す動きが、戦後、世界の海運国で活発になった」とし、このような登録ができる「便宜置籍国」のひとつにパナマを挙げます。

 ちなみに、前出の海事広報協会「SHIPPING NOW 2017-2018」によると、世界の船舶はパナマ(17.7%)に次いで西アフリカのリベリア籍が11.1%、3位がオセアニアのマーシャル諸島共和国籍で10.6%となっています。日本の外航海運会社が運行する船では、パナマ籍(61.3%)に次いで日本籍が9.1%、リベリア籍が5.7%だそうです。

「便宜置籍」なぜ行われる?

 日本郵船に、便宜置籍を行う理由について聞きました。

――なぜ便宜置籍を行うのでしょうか?

 まず船舶登録が容易かつ安価に行えます。船主となる会社をその国に設立し、その管理や解散も容易であるほか、外国人船員の配乗も容易です。

――便宜置籍はいつごろから行われているのでしょうか?

 日本においては、本格的に便宜置籍国への登録が増え始めたのは1970年代です。1971(昭和46)年のニクソンショック以降、為替相場が円高に振れたことから、競争力確保のためコストの「ドル化」を進めたのがきっかけです。

※ ※ ※

 前出の日本船主協会ウェブサイトでは、「日本を含め、ほとんどの先進海運国では、自国の船には、原則的に自国人や自国が承認する海技免状等を持った船員の乗船を義務づけている。しかし先進諸国の船員は賃金も高く、より低賃金の発展途上国海運との価格競争では不利。一方、便宜置籍国では、こうした国籍要件等に関する規制が緩やかで、賃金の安い外国人船員を乗せることができる」といった便宜置籍のメリットを挙げています。

 これに加え、日本郵船は「為替リスクの軽減」も挙げます。「決算通貨を選択できるので、コストをドル化するといったことが可能です。政治的な理由などで一国の通貨が変動する事態にも対応できます」と話します。

 一方、便宜置籍には法人税などの節税対策という側面もあるのでしょうか。日本郵船によると、「日本では外国子会社合算税制(いわゆるタックスヘイブン対策税制)があり、租税に関するメリットは特にありません」とのことです。


QRコードに脆弱性? 

2018年06月24日 22時55分43秒 | 日記

広まるQRコードの利用、その安全性は?(写真:ロイター/アフロ)

電子決済や広告などに広く利用されている「QRコード」に、偽の情報を仕込むことができるセキュリティ上の弱点があることが、神戸大学のグループの研究でわかりました。この弱点を悪用すると、利用者を一定の割合で不正なサイトに誘導することも可能で、グループではセキュリティー対策の強化が必要だとしています。

出典:QRコードにセキュリティー上の弱点 不正サイトに誘導も【NHK NEWS WEB】

この記事およびNHKでの2018年6月23日(土)午後6時のニュース映像の通りなのですが、開発者本人から説明し、その深刻さとどのように悪用されるのか、さらにQRコードを利用している一般の人がとるべき対策について解説します。

一言でいうと、まったく同一のQRコードで、AというURL(ウエッブサイト)に飛ぶ時もあれば、BというURLに飛ぶ時もあるという、いわば「気まぐれなQRコード」を開発したということです。それぞれのURLに飛んでいく確率を制御することができます。このQRコードをここでは「偽装QRコード」と呼ぶことにします。これを悪用すれば、通常は正常なサイトに飛んでいくのですが、何百回、何千回に1回は、悪性サイト、たとえばその正常なサイトを模したフィッシングサイトに飛ばされて詐欺に遭うことになるのです。そのような面倒なことをすることなく、最初からフィッシングサイトに飛んでいくQRコードを作り、それを配布すれば良いではないかと思われるかもしれません。それでは配布してもすぐに発見されてしまいます。特に不特定多数に告知するウェッブ等に張り付ける際は顕著です。この偽装QRコードを使えば、最初に配布された偽装QRコードを注意深く調べた、つまり正常なサイトに飛んでいくか否かを逐次調べたとしても、まったく気付かれることはありません。何百回、何千回も使っていると、突然、悪性サイトに飛ばされるのです。多数の人に利用させることができれば効果はてきめんです。もし悪性サイトに飛ばされ、再度、チェックしても再現性はなく、今度は正常なサイトに飛ぶことに確認することができません。

この偽装QRコードを作成できることの深刻さについて説明します。まず、すでに利用されている(張り付けられている)QRコードについて、そのQRコードと同一のQRコードで、他のURLに飛ばすことは、改ざんされたデコーダー(QRコード認識アプリ)を配布しない限り当然不可能です。この偽装QRコードが深刻な脆弱性に結び付くのは、新たなQRコードを配布する場合です。例えば、新規サイトに誘導するQRコードを作成する場合、QRコードを作ることができるシステム開発会社に依頼するか、もしくはフリーのQRコード作成プログラム、さらにQRコード作成サイトを利用して作成します。このとき、依頼したシステム開発会社やQRコード作成サイト等に悪意があったり、不正アクセス等を受けて、QRコード作成プログラムが改ざんされている場合、上述の偽装QRコードが作成されてしまいます。その偽装QRコードを配布した場合、当初は問題なく正常なサイトに誘導され、時間が経ってから、悪意のある別なサイトに誘導されてしまうことになるのです。これはほとんど再現性がないため、チェックを行っても発見が難しく、対策を取ることを遅らすことが可能です。特にその悪意のある別なサイトが、識別が難しいフィッシングサイト(正常なサイトににして作られ、詐欺をはたらくサイト)であれば、さらに発見が困難で、被害を広げることになります。

現在開発中であり、詳細をここで報告することはできませんが、例えば以下のQRコードは、ほとんどの場合は正常なサイト(神戸大学での私の研究室のサイト)に誘導しますが、確率1/5~1/10で悪性サイトを模したサイト(研究室で用意した無害なサイト)に誘導されます。ただし初期バージョンのプロトタイプなので、QRコードアプリ(ソフト)によっては、その確率はかなり変動します。任意のURLで、任意の悪性サイトに誘導する技術と、この確率の制御をQRコードアプリの認識アルゴリズムに依存することなく、正確に行う技術を開発し、それに成功しています。

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では、一般の人がとるべき対策ですが、QRコード認識アプリでURLを読み込む際には、必ず認識したURLを確認してから、そのURLを表示させるということです。QRコード認識アプリによっては、QRコードを撮影すると、自動的にそのサイトを表示するものがあります。それは非常に危険です。かならず、QRコードを撮影した場合、QRコード認識アプリが読み取ったURLを、目で見て確認するべきです。

これは偽装QRコードへの対策に限ったわけではありません。QRコードの最大の欠点は人間が理解できないことです。つまりQRコードにどのような情報が格納されているか、目で見てもわからず、QRコード認識アプリやソフトを使わなければならないということです。このことが最大の脆弱性につながっています。

QRコードは目に見えないため(データの内容が認識できないため)、盲目的な安心感を植え付けてしまいがちです。決済のサービスを行う側はその十分な対策を講じることはもちろんですが、利用者もQRコードの特質を理解することも求められます。

出典:QRコードのここがダメ?【YAHOO!JAPANニュース個人】

 

森井昌克 神戸大学大学院工学研究科 教授

大阪生。1989年大阪大学大学院工学研究科博士後期課程通信工学専攻修了、工学博士。同年、京都工芸繊維大学工芸学部助手。愛媛大学工学部講師、同助教授、1995年徳島大学工学部教授を経て、現在、神戸大学大学院工学研究科教授。情報セキュリティ大学院大学客員教授。マルチメディア情報通信工学、ネットワークセキュリティ、情報理論、暗号理論等の研究、教育に従事。加えて、インターネットの文化的社会的側面、それを基盤としたネット社会、およびビジネス、ベンチャー起業についての研究、啓蒙、社会活動にも従事。趣味は70年代クラシックロック、プログレ鑑賞、および独善的解説。


南海トラフの大地震は百年周期に加えて、その数倍の周期、五百~千年で更に大きな超巨大地震が起きている?

2018年06月22日 00時49分20秒 | 日記

南海トラフ地震の「スーパーサイクル」とは? 大津波に襲われた痕跡が、河の上流の巨石の成分解析や、池や湖の堆積物から、大地震が数百年に一度起きるだけでなく、そのサイクルの数回に一回、千年とか二千年に一回はさらなる超巨大津波の可能性、すなわち超巨大大地震が起きていると推論できるという。この二千円に一度くらいに兆大地震が起きているのをスーパーサイクルと言う。ただ、この考えは地震研究者の共通認識で派ないようだ。其の研究結果を、産業技術総合研究所の研究者や高知大学の教授が発表しているという。

 

南海トラフ地震をめぐって今「スーパーサイクル」という言葉が注目されています。大地震は数百年に一度、周期的に起きているとされていますが、実はその何度かに一度は東日本大震災のような巨大地震を起こす周期があり、そのことを「スーパーサイクル」と呼ぶのです。近畿に大津波が襲うことになるかもしれない南海トラフ地震にも、この「スーパーサイクル」があることが最新の研究でわかってきました。その根拠は、大津波が北池や湖の堆積物からわかるという。

 
「スーパーサイクル」とは?

7年前、東北沿岸部を中心に大津波が襲った東日本大震災。M9の超巨大地震。誰も想像すらできなかった時期に発生を予測していた研究者がいました。過去の地震と津波を研究している産業技術総合研究所の宍倉正展さんです。

「地層から想像していたものが現実になってしまった」(産業技術総合研究所・海溝型地震履歴研究グループ長 宍倉正展さん・2011年)

東日本大震災が起きる7年前から、西暦869年に宮城県沿岸を襲った「貞観地震」に注目していました。宍倉さんが古文書に残る史実と過去の津波の跡などを調べた結果、貞観地震と東日本大震災の津波の被害が驚くほど似ていることに気付きました。そして導き出したのが地震の「スーパーサイクル」だったのです。

「仙台の平野の地下に眠る過去の津波の痕跡を調べていた。西暦869年に貞観地震という歴史記録にも残っているが、その津波の痕跡が内陸3~4キロまできているということがわかり、それが500年~1000年の間隔で繰り返し重なっている」(産業技術総合研究所・海溝型地震履歴研究グループ長 宍倉正展さん・2018年)

 紀伊半島の南端にある和歌山県串本町の国の名勝「橋杭岩」mの写真。これから、500~1000年で大r津波が来た痕跡が岩に付着した貝殻などからわかるという。

南海トラフ地震にもスーパーサイクルが

そんな宍倉さんがいま注目しているのが南海トラフ地震です。

Q.南海トラフにもスーパーサイクルはある?
「そういうことをいってもいいのかなと思っている」(宍倉正展さん)

宍倉さんが目をつけたのが、紀伊半島の南端にある和歌山県串本町の国の名勝「橋杭岩」。

「周辺には大きさ1メートル以上の岩が散らばっていて、過去の大津波で流されきたと考えられています」(太田尚志記者リポート)

橋杭岩の周辺には岩石が1000個以上散らばっていて、宍倉さんは岩石に残された貝殻など年代測定をすることで、いつ岩石が津波に流されたのか、つまり大津波がいつ発生したのかを調査しました。

南海トラフ地震は、静岡県の駿河湾から九州東方沖まで続く海底を震源に繰り返し起きている巨大地震です。その周期は100年から150年とされていて、前回は戦前の1944年と1946年にM7.9とM8.0の地震が起きています。その90年前の江戸時代、安政期にはM8.4の地震が2つ続けて発生。さらに、約150年前の江戸時代・宝永期には3つの震源域が同時に動き、過去最大級のM8.6の地震を起こしたことがわかっています。南海トラフ地震はその大きさや発生時期にばらつきがあるのです。

宍倉さんが橋杭岩の貝殻の年代測定をした結果、宝永地震を起点として遡ると約400年から600年周期で大規模な地震による大津波が複数回起きていることを突き止めたのです。

「前回のスーパーサイクルの巨大地震は宝永地震かもしれない。次の南海トラフ地震は(宝永・1707年から)300数十年(経ったとすると)、(400~600年周期に)短いかもしれないが、(スーパーサイクルに)なってもおかしくない」(宍倉正展さん)

 
池の堆積物は“津波の履歴”

「いまだいぶ、池の中に草が生えてきて、向こうハスが生えてきているが、あのハス生えてくると、もう南海地震が近いです」(高知大学 岡村眞名誉教授)

もう一人、池の堆積物などの調査によって、南海トラフ地震にスーパーサイクルがあると考えている研究者がいます。高知大学名誉教授の岡村眞さんです。

「この5メートルの堤防の地形を10メートルを超えるような大津波が来るというのは、300年とか350年に1回」(岡村眞さん)

岡村さんらの研究グループは、西日本にある約30か所の湖や沼に残された津波堆積物を調べました。過去3500年にも及ぶ南海トラフ地震の津波の履歴です。

「蟹ヶ池の柱状資料のコアです」(岡村眞さん)

岡村さんは池の底からとれた植物の化石などの堆積物から、過去に起きた津波の年代などがわかるといいます。

「木の葉がたくさん入っている、木の葉が全部化石ですね。これが年代を測る基本となる。これがだいたい3000年の池の歴史です。ここが池の底になっていて、これから下に古い方にいきます。ここに見えているのが、“宝永(津波)”の砂です」(岡村眞さん)

2000年前の超巨大津波の痕跡

これらの津波堆積物から、岡村さんは宝永地震クラスの津波よりもさらに規模の大きい津波が起きるもう一つのスーパーサイクルがあることを導き出しました。

「宝永クラスというか、15メートルクラスの津波がきているが、そういうものはだいたい300年~350年に1度くらい来る。でもそのクラス以上のものが700年に1度きている」(岡村眞さん)



また、岡村さんの調査でわかったことは、これだけにとどまりませんでした。その事実を見つけたとき岡村さんは驚愕したといいます。

「ここに…厚いですよね。もうほんとうに70センチ以上ありますよね。これが2000年前の超巨大津波の痕跡になります」(岡村眞さん)

15メートルの津波を起こしたとされる宝永地震の堆積物の厚さは30センチほどでしたが、岡村さんらが見つけた2000年前の堆積物はなんと倍以上の70センチもあったのです。

「宝永をはるかに超えるものが歴史的につかまった。われわれは初めて見つけたんだ、ちょっと興奮しました」(岡村眞さん)

今年5月の学会でも、岡村さんらの成果が発表されました。

「プランクトンとか化石をみると、砂が厚い。サイクルがあるんです」(岡村眞さん)

当日、産業技術総合研究所の宍倉さんも姿を見せました。

「100年200年の歴史地震とは何かが違う。もうひとつの大きなサイクルがあるのではないかというのは間違いない」(産業技術総合研究所・海溝型地震履歴研究グループ長 宍倉正展さん)

「数百年だけの歴史をたよって最大だろうとか、宝永が最大だろうとかいうのはやめた方がいい。それは必ずしも最大のものではないと考えなければいけない。自然からの警告だと思う」(高知大学 岡村眞名誉教授)


中国軍用ドローンが世界を制する日

2018年06月22日 00時10分45秒 | 日記

News Weekの報道によると、China Has Already Won the Drone Wars 中国はドローン競争ですでに覇者になっていた!

2015年の北京の軍事パレードに登場した中国製の軍用ドローン「翼竜」 Andy Wong/REUTERS

<価格の安さとそこそこの性能に引かれてアメリカの同盟国も続々と中国製軍用ドローンを購入>

ヨルダンの首都アンマン郊外にある軍用飛行場。世界中の軍需関連企業が最新兵器を売り込む年に1度の特殊部隊向け兵器展示会SOFEXが、今年はここで開催された。

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会場では3人のアメリカ人ビジネスマンが目玉の展示物を賞賛していた。ドーム型のフロント部を持ち、翼の下に武器を搭載した大型ドローン(無人機)。それは奇妙な既視感がある光景だった。

「プレデターだな」と、1人が言った。ボスニア内戦やイラク戦争でも使われたアメリカ製ドローン、MQ1のことだ。

「いや、プレデターじゃない」と、別の1人が反論した。

展示中のドローンは中国製のCH4(彩虹4号)。このドローンは猛烈な勢いで世界中に拡散している。ヨルダンは15年にCH4を購入したが、機体を公開するのは今回が初めてだ。

かつては考えられなかった事態だ。MQ1と、より殺傷力の高い後継機MQ9リーパーは、10年以上前から軍用ドローンの代名詞だった。

だが状況は変わりつつある。中国がもっと高性能のドローンを開発したからではない。アメリカ勢がドローンを売らない国々に、中国が積極的な売り込みをかけているからだ。

ISIS攻撃に効果あり

アメリカが軍用ドローンの輸出を厳しく規制している間に、中国は市場に入り込んだ。ヨルダンは当初、米ジェネラル・アトミクス・エアロノーティカル・システムズ製のMQ9を欲しがったが、購入を拒否された。その後、中国との商談が15年にまとまると、米共和党のダンカン・ハンター下院議員は「中国は好機を逃さない」と嘆いた。

それから2年以上、軍用ドローン市場における中国のシェアは大きく拡大している。現在までにMQ9を購入したのはイギリス、フランス、イタリアのみ。ヨルダンを含む他の同盟国は、CH4のような中国製ドローンに流れている。

アメリカは現在、遅ればせながら市場奪回に動きだしている。米企業は長年、思うように動けなかった。その理由の1つが特定の長距離巡航ミサイルとドローンの輸出を規制する国際協定、ミサイル関連技術規制措置(MTCR)の存在だ(中国は同協定に不参加)。

そこで4月、トランプ政権は「バイ・アメリカン」キャンペーンの一環として、軍用ドローンの輸出規制を緩和する新政策を発表した。ドナルド・トランプ米大統領の通商顧問ピーター・ナバロは、中国製ドローンをアメリカ製の「模倣品」と非難。「現政権の(ドローン)輸出政策によって、公正な競争条件が実現するだろう」と言った。


とはいえ、新輸出政策がすぐに効果を発揮するとは考えにくい。SOFEXには米企業専用のパビリオンが用意されていたが、軍用を含むドローンを売り込んでいるのはジェネラル・アトミクス・エアロノーティカル・システムズ1社だけだった。

CH4がMQ1に似ているのは偶然ではない。欧米の有名ブランドによく似た製品をもっと安い価格で、そこそこの性能で作る――それが中国の技術開発の伝統的なやり方だ。明確な証拠はないが、中国はアメリカの技術情報を盗んでドローン開発を進めてきたと示唆するアナリストもいる。

中国の上客になっているのは、国内の反政府勢力との戦いにドローンを使いたい途上国だ。最近のイラクなど、テロ組織ISIS(自称イスラム国)掃討のために中国製品を購入した国々の実例は、中国に絶大な宣伝効果をもたらしている。

 
SOFEXでCH4を売り込んでいた航天長征国際貿易の展示エリアでは、イラク軍が公開したISIS攻撃の映像を引用した宣伝動画が流れていた。中国語の説明によると、イラク軍は既にCH4を使用したISISへの攻撃を少なくとも260回行い、命中精度は100%近いという。

途上国は中国製で十分?

中国は外国政府の完全な顧客リストを開示していないが、宣伝動画からアルジェリア、ナイジェリア、ヨルダン、ザンビア、イラク、サウジアラビア、エチオピア、トルクメニスタン、パキスタン、ミャンマー(ビルマ)が顧客だと分かる。

CH4の外観はMQ9に似ているが、性能まで同じではない。例えば、偵察衛星のデータとのリンク機能はない。そのため操作は目視に頼る必要があり、作戦の行動範囲や戦場での運用の自由度に制限がある(最新型のCH5〔彩虹5号〕は衛星リンクあり、CH4にも追加装備が進められている模様)。

航天長征国際貿易は営業には熱心だが、他者からの詮索には警戒を隠さない。会場にいた同社の代表は取材を断り、「政策アドバイザー」を名乗るアメリカ人との名刺交換を拒否した。