ForbesがSUVではジャガーの新型 I-PACEが美しく、テスラと激しい競争をするだろうと報じていた。I-PACEには90kWhのバッテリーが動かす2つの電気モーターがある。つまり、モーターは前輪1つ、後輪1つという4WD駆動形式だ。このシステムは394psを発揮するという。値段は630万からという。EVはモーターとバッテリーが基本なので、デザインが決め手になる。日本のメーカーも一般向けEVを出すことは大切であろうが、デザインの優れたスペシャルEVカーをだし、世の中からの評価を勝ち取ることも必要であろう。写真を見ても、エンジンルームがちいさくてすむから、SUVといえどもすっくりしたデザインにできる。日本メーカーのデザイン、だいぶ良くな手散るが、まだまだ世界から評価されるには至ってない。機械性能だけでなくデザインも世界のトップをいててょ椎ものだ!
ジャガー I-Pace
まったく新しい、ピュアEVのジャガーI-PACEは、このブランドの流れを変えるだけでなく、EVというジャンルさえも変える存在だ。ジャガーにとって、I-PACEは初のEVであり、またラインアップを増やしているクロスオーバーというジャンルの最新車種。そして、スタイリングとパフォーマンスの両方で、あのテスラに挑戦するモデルだ。
実際、1961年に当時のクルマのデザインの概念を覆した伝説のEタイプ以来、ジャガーのもっとも重要な1台と言っても過言ではない。そして、同ブランドのピュアEV用の新しい「スケートボード・アーキテクチャ」を初めて採用している。このプラットフォームは、これからジャガーが作る全てのEVに採用されていくことになるだろう。

これまでエンジン・ルームには大きなエンジンがあるものだったが、エンジンがないお陰で、デザイナーはI-PACEのフロントをよりスッキリと、カッコよくコンパクトにするという贅沢が許された。
スタンスが筋肉質でオーバーハングが短いスタイルとなったI-PACEには、今のところ敵はいない。つまり、アウディ、BMW、メルセデス、ポルシェ、さらにフォルクスワーゲンまでが参入して、やがてにぎやかになる高級SUV系EVというセグメントとはこういうものだと、I-PACEは定義してみせたのだ。
I-PACEには90kWhのバッテリーが動かす2つの電気モーターがある。つまり、モーターは前輪1つ、後輪1つという4WD駆動形式だ。このシステムは394psを発揮し、トルクは696Nmと半端なし。これで、フレームはガッツリと2.2トンもありながら、ドライバーを満面の笑顔にすることができる。
ところで、どの国や地域に住んでいるかによって航続距離の計測に差はあるが、I-PACEはヨーロッパなら現実的に298マイル、アメリカ環境庁によれば238マイルというところ。ちなみに、日本での航続距離は、450km以上になるらしい。
撫でるように軽くアクセルを踏むだけで、即座に加速し、4WDの安定性が目立つ。ちょっと眉をしかめたのは、EVだからエンジン音がないのを補おうと付けられた合成音で、「穏やか」と「ダイナミック」という2つのモードがある。でも、こんなに美しいEVだからこそ購入し、EVだから静粛だと知っていれば、わざわざこの人工的な音は必要だろうか、疑問に思う。当然、僕はすぐに切ってしまった。
でも、驚いたのは、I-PACEの走りだった。I-PACEは、フレームの低い位置に2つの電気モーターとインバーター、バッテリーパックを収めているので低重心で、コーナリング中もロールせず、フラットな体勢を保つことができる。ステアリングは中心では軽く感じるものの、左右に傾けるほどに気持ちよい重さがあり、しっかりとしてニュートラルで、ステアリングフィールが正確だ。
そう、テスラ・モデルXのステアリングを凌ぐと言ってもいいくらいだ。コーナリング中は、モーターたちが賢く前後のトルク配分を調整し、最大のトラクションを保ち、ドライバーの選んだラインをキープしようとする。

ここまで褒めるなら、I-PACEは完璧なSUVなのか? というと、そうとは言いきれず、テスラ・モデルXも同様だが、ブレーキはI-PACEのアキレス腱だ。
初期のペダル・フィールは柔らかく、踏む途中からペダル剛性が増すが、多少合成的ではあると言える。もちろん充分利くけれど、慣れるのに少し時間がかかる。
一方、独特の運転方法もある。日産リーフなどと同様、I-PACEもスロットルから足を外すと、自動的に減速して自然に停まる方式のアクセルペダルを採用している。やりながら慣れなくてはならないが、たいていの状況ではペダル1つの操作ですむから、分かってしまえば問題ない。それに、将来のEVではこれが標準になることを覚えておいて欲しい。
テスラが登場して以来、同社が作った高級SUV系EVというニッチ(市場隙間)に参入した者はほとんどいなかった。そこへI-PACEが挑戦状を叩きつけた。イーロン・ムスクからスポットライトを奪うことはないだろうが、モデルX 75Dより100万円安く、630万円程度(米国での比較)のI-PACEは当然、選択肢の1つだ。
特にテスラ・モデル3が生産量で苦戦している今、I-PACEは強敵となるに間違いない。販売開始は来年の春以降だそうだ。