多面体F

集会報告、読書記録、観劇記録などの「ときどき日記」

女たちの戦争と平和資料館

2008年01月08日 | 博物館など
早稲田にあるアクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」で開催されている中学生のための「慰安婦」展を見学した。
「誰が、どんな目的で慰安所を作ったの?」「『慰安婦』は誰がどのようにして集めたのですか?」「戦後『慰安婦』はどうなったのですか?」「教科書問題って何ですか?」などの質問にわかりやすくポイントをまとめたパネルが展示されていた。
慰安所をはじめて開設したのは1932年の第一次上海事変のときで、長崎県知事に慰安婦募集を要請している。1937年からの日中戦争で中国全土に広がり、1941年のアジア太平洋戦争から南方各地にも広がった。沖縄の「集団自決」同様、日本軍が駐屯したところに存在したようだ。はじめは日本や朝鮮、台湾など旧日本領から連れてきた女性が多かったが、それでは間に合わず中国、東南アジアなど現地女性を調達した。
また日中戦争における兵士と慰安所、元日本軍兵士の証言、韓国、中国、台湾、マレーシア、東チモールなど被害国の対応が国別に展示されていた。
元「慰安婦」が名乗り出たのは1991年8月の金学順(キム・ハクスン 韓国)が最初である。戦後46年、ほんの16年前のことである。女性たちの心の傷がいかに深かったかわかる。慰安婦とは少し違うが日本兵の世話をしていた台湾女性のことが思い起こされる。

 特別展コーナー
このミュージアムを訪問したのは2005年9月以来2回目である。開館が05年8月とあるのでその直後のことだった。そのときは展示をみただけだったが、今回は資料閲覧コーナーもゆっくり見学した。戦後補償、民衆法廷、天皇制、戦後責任、南京大虐殺などのテーマ別、中国、沖縄など地域別に分類された多くの図書が並んでいる。
このミュージアムは、2002年末亡くなった朝日新聞の元記者・松井やよりさんの遺志を継ぎ開館した。そこで松井やよりさんの著書や執筆記事もたくさん収納されている。
また中学高校の教科書も多く展示されていて記述を比較することができる。

資料閲覧コーナー 右下端に松井さんが使っていた椅子がみえる

☆松井やよりさんについては、渋谷勤労福祉会館だったと思うが、女性国際戦犯法廷に関する講演を伺ったのと「若い記者たちへ」(樹花舎 2003年)というブックレットを読んだことがある。松井さんはウーマン・リブや女性国際戦犯法廷で有名だが、1960年代には水俣病、食品汚染、70年代には公害輸出、キーセン観光、80年代にはシンガポール特派員だったこともあり児童労働、ポル・ポトの大虐殺、移住労働者、海外での観光開発や熱帯雨林、90年代には慰安婦や台湾原住民族問題で健筆を振るった。このなかでポル・ポトや台湾原住民族についてわたくしの関心と一致する。
☆わたくしは従軍慰安婦問題については詳しくない。読んだのもフィクションで、柳美里「8月の果て」くらいのものである。それもマラソンの呼吸法「すっすっはっはっ」で有名になったとはいえ、ジョギング小説として読んだ。そんな読者は珍しいと思うが、当時のわたくしには足の重心の移動など大いに参考になった。
なお現在最高裁で審理中のNHK裁判には大いに関心がある。

アバコブライダルホールがあるビルの2階にある

住所:東京都新宿区西早稲田2-3-18 AVACOビル2F
電話:03-3202-4633  
開館日:水曜日~日曜日
開館時間:13時~18時
入館料:18歳以上 500円
    18歳未満 300円
    小学生以下 無料
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 紙上討論とはどんな授業か 4 | トップ | 火宅か修羅か »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

博物館など」カテゴリの最新記事