野良暮らし ねこ暮らし

田舎暮らしを夢見て、こつこつとお金を貯めています。

巻機山

2012-04-11 21:35:55 | 山歩き・山の写真
昔の写真のスキャン画像、3月の初旬にスキーで縦走して時のものです。
遠く上越国境稜線が谷川連峰まで続いています。
遠く右側から
平標山、仙ノ倉山、ちょっと下ってまた登って万太郎山、茂倉岳、一ノ倉岳、谷川岳、左に移って朝日岳JP、
手前に向かってきて大烏帽子山、檜倉山、ぐんと登って柄沢山ときて米子の頭で足元の巻機山へと続いています。
稜線を脚で辿ると茂倉から谷川岳は順番が違いますが。

このときは、ぽかぽか陽気のなか土樽より蓬沢を詰めて稜線に出ました。
その翌日に蓬峠から谷川岳トマの耳まで往復しましたが天候は下り坂、その後1週間くらい悪天候が続きました。
冬型が強まると稜線をスキーで歩くことは不可能になります。まず強風で立っていられません。
斜め45度くらい風上に体を傾けないと立っていられません。おまけにホワイトアウトしてしまい一寸先も分からなくなります。

気象予報に耳を傾ける毎日も5日目くらいになり、ようやく寒気が抜けるとの予報に、
夜中の3時ころから出発の準備を始めていると、雪は止みガスが稜線を西から東へ強烈に流れています。
朝の5時、一気に明るくなったり、ガスに覆われたりと間違いなく天候は回復に向かっています。
さて、巻機山へ向けて出発、久々の運動です。
日の出からまもなく目の前のガスは晴れだし、眼前に聳え立つ大源太山がまるでマッターホルンです。
美しい雪山を目とフィルムに焼き付けながら、清水峠を越え朝日岳JPを登り返します。ここはガチガチの斜面、アイゼンの世界です。
その日はJPから巻機へ向かって2つ目のこぶ檜倉山にて、時間もたっぷりなので雪洞を掘ることにしました。
と、翌日は雨降りで足止めです。こんなとき雪洞は快適です・・・もつかの間、多湿に加え天井が薄かっため雨漏りまでしてきました。
これで低気圧が通過してくれれば、気温も下がって雪になるのだが・・・・・。
やがて気温も下がって待ちに待った雪です。が今度は冬型になって行動は出来ません。
もう1日のんびりと雪洞で座禅を組むことにします。ひたすら修行を続けます。

さて、日の出です。
奥利根は雲海の下、高気圧に覆われてこれからしばらくは晴れの日が続くようです。
2千メートルに近いこの脊梁山脈でも、風もそれほど強くなくのどかな雪山です。
今日ものんびりと写真を撮りながら巻機山へ向けて歩きます。
柄沢山へ登る尾根には、奥利根側に10メートルを有に越す程の雪庇があります。
夏には瘠せた尾根も、今は雪庇でだだっ広く快適にスキーで歩くことが出来ます。
藪の多いこの夏道も、スキーでは巻機山までたいしたアルバイトではありません。

早めに巻機へ着いたので、稜線上の雪を纏ったシラビソの疎林の中に、上手にツェルト張って今夜の宿を作ります。
顔が真っ赤になるくらい日焼けをしたので、夜は顔が湯たんぽ代わりとなり快適に眠ることが出来ました。

そして、誰もいない3月中旬の巻機山山頂での夜明けです。
奥利根側は今日も雲海です。
国境稜線を下津川山側へしばらく歩き、この貴重な雪の山々を目に焼き付けます。
さて、朝日も色を失いかけるころ、大勢の山スキーヤーが山頂に現れだしました。
こんなに素晴らしいゲレンデだもの、シールを腰に巻きつけて自分も他のスキーヤー同様、奥利根の谷へ向かって大滑降です。
振り向けば巻機山は大きく高く聳え立っています。
さて、スキーにシールをつけて、おおよそ600メートルの登り返しです。
稜線に陣取った別荘まで戻って遅い朝食を済ませ、いよいよ下山のときが来ました。
何処を降っていこうか迷うところです。
井戸尾根を下ってもいいし、ワレメキ沢を下るのも良し、でも今日は米子沢を下ることにします。
途中クレパスも開いてはいましたが、まずまず快適に滑り降りることが出来ました。

こうして、のんびりと長~い雪山の旅は終わったのでした。
それにしても臭かった!、10日くらい風呂無しでしたからね。