ですね。
どなた様の所有物かは分かりませんが、カッコいい!ものすごくカッコいいです。
1977年ころに世に出た名機だったと思います。
ペンタックスがそれまでのスクリューマウント(Sマウント)をバヨネットのKマウントに変更したのが1975年、
それまでのTTL露出計内蔵の名機SPFをKマウントに変えて世に送り出したのが凡機KMです。
このKシリーズにはお兄さんのKX、その上のお兄さんのK2がラインナップされていました。
もう30年以上前の記憶なので正確さには欠けますが、この兄弟のことを思い出してみます。
KMはSPFをそのままKマウントにしたもので、Cds受光素子のTTLメーター内蔵、
機械式布幕横走りフォーカルプレーンシャッタ B,1s~1/1000sとオーソドックスな性格です。
その兄KXは弟KMにレンズ側の絞り値読込窓がペンタプリズムカバー前面について、
ファインダーから絞りの値が読み取ることの出来るスグレもんです。
一番上の長男K2は受光素子をSPD(シリコンフォトダイオード)に変え感度を上げ、
さらにシャッターはセイコー製の電子式縦走りメタルフォーカルプレーンシャッター使用、
B(機械式),AUTO,8s~1/1000s(1/2000だったかな?)と最新技術を搭載しています。
この3兄弟はその後、昨今話題のオリンパスが世界に誇ったOMシリーズに対抗する為に小型化されました。
KMとKXは小型化されMXに生まれ変わり(本当はKMはREBORNできず廃盤)、
K2はMXと同時期に誕生したMEを融合してペンタックスが世界に誇る名機LXへと生まれ変わっていったのです。
さて、さらにもう一つ、MXに装着されているレンズですが、これも大変美しい(かっこいい)レンズですね。
このレンズはSMCペンタックス 135mm F2.5というレンズで、当時F2.8が主流だった時代にF2.5を売り物にしていました。
コーティングは7層スーパーマルチコーティング(SMC)を施し、太陽に向けてもゴーストやフレアーなんて無縁のつわもの。
描写もやわらかく大変優れたレンズでした。
とペンタックスの名機の変遷を辿って見たところで、今のペンタックスを思うと虚しくなってしまうのでここまでにします。
ところでこの写真の出所は、本日のネットニュースのとある1ページでした。
ニュースの題はカメラのドレスアップ云々というもの。
写真と題が???だったので開いてみれば、やっぱり写真はなんら関係の無いデジカメとそのアクセサリーの記事、なので自分にも無用。
ただなんでペンタのMXの絵を使ったんだろう?もしかしてアナログへの郷愁から?
憶測は尽きませんが、一つ言えることは、アナログ全盛だったこの時代は日本人が努力とその卓越した技術力によって、
殆どの工業製品で世界の頂点を目指して突き進んでいた最も幸せな時代だったということです。
そしてこのクロームメッキされた美しいメタルのボディは、それを手にした少年に指を通して大きな夢と日本人の誇りを教えてくれました。
あれから30有余年、自信を失ってしまった日本人よ!もう一度夢と誇りを取り戻そうよ。ねっ。
なんていうことがこの一枚の写真から感じ取れなくもありません、大袈裟ですが。
ちなみにこれは自分が少年だった頃の宝物。
偶然ネットで見つけた誰のものかもわからない古いカメラの写真が、自分のセピア色の記憶に鮮やかな色付けをしてくれました。
カメラへの強い思いいれや憧れはそれを持つこと自体に喜びを与えてくれました。
最近のデジカメにはこんな感情を抱かせてくれるものは、残念ながら見当たりません。
このPENTAX MXの写真に目が留まったのも、まぎれもありません自分自身のアナログへの郷愁が結局そうさせたのです。