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60にしておひとりさまに。
この先、どんな人生になるのやら?

Nスペ 「認知症の第一人者が認知症になった」

2020-01-13 | ひとりごと


認知症の第一人者が認知症になった

 


1月11日のNスペは
認知症医療の第一人者、長谷川和夫氏(90)の
1年間をNHKが記録したものだった。

昨今、病気の当事者が発信することも増えて
新聞記事などで目にすることも多いが、
専門家が身を持って体験し、語っている点が興味深かった。

「確かさ」がなくなる、それを確認させてくれるのが家族の存在、
見える景色は以前と何ら変わらないetc.
非常に理路整然と応えられていて、
家族、特に奥様に依存&感謝されておられるのがよくわかったが、

自分が提唱したデイサービスにはもう行きたくない、
行っても誰とも話さず、孤独になる・・・

娘さんの、
「お母さんが楽になるから自分が作ったデイサービスに行くんでしょ。
 行かなかったらお母さんがまた大変になるよ?」
の問いには、
「‥‥‥」無言。
このとき、何を思っておられたか。

「外出するとき、鍵をかけたか気になって確認に戻る。
 それを何度も何度も繰り返す」
という氏の言葉は、「事実ではない」と娘さんが補足する。

娘さんと奥様の支えがあればこその日常だが、
家族の苦悩はあまり描かれていなかった。
奥様も要介護者でありながら氏の講演活動などにも同行している。
日々の現実はもっと大変で、
家族はかなり無理をされているのではないかと思う。
本人のプライドもあり、
写せない場面、話せないこともあるのだろうと思うが、
いささかきれいごとと感じた。

家族、つまり自分は誰か、どこにいるのかなどの
「確かさ」を確認させてくれる家族のいない者は、
どうやって自分を確認すればいいのだ。
遠くの親戚より近くの他人じゃないけれど、
ご近所さん、友達、行きつけの喫茶店、行きつけのコンビニ、図書館・・・
これからはあちこちに足跡をつけておかねばならない。


余談。というか蛇足。
ふと思い出した、私が老健で働いていた時。
レクの時間、脳トレと称して小学生レベルの算数(四則計算)をやってもらっていた。
ある男性は早々に仕上げて「簡単すぎる」と。
あるとき、その男性が新聞の「数独」を解いていたので、
好きなのかと尋ねると「大好き」と。
簡単な数独の問題をプリントして持っていくと嬉々として解いて、
「もっと難しいものを」
ではこれならと「激辛数独」を渡すと、次の私の出勤日までに解いて、
私を見るなりニコニコして解答を見せてくれた。
「すごいですね!」「たいしたことないよ、次はどれ?」

あのかたは今、どうしてるかな~。
レクひとつでも、
それぞれのやりたいものをと言うは易し、行うは難し。が現実・・・。




再放送、あります。
2020年1月16日(木)午前0時55分~1時44分(15日深夜)
「認知症の第一人者が認知症になった」