11月22日は母の91歳の誕生日だった。
毎年「今年が最後」と言いながら更新中。
今年は夏に腰を痛め背骨の圧迫骨折も見つかり、ちょっと心配したが、
大事にはならず、ひと安心。
でも本人は「遠出するのが不安になった」
と言うので、
いつも行く箕面の宿で一泊しようかと。
紅葉狩りのシーズンではあるが、うまい具合に宿が取れた。

とても寒く、今にも雨が降りそうな日。
「私の方が頬もこけて顔小さいのに、なんでアンタより大きく写ってるの!

と母。
知らんがな。前に出るからでしょ。
久しぶりに母の背中を流す。
痩せたなぁ。。。強くこすったら壊れそうだ。
体重は35、6キロとか。ひぇ~。
それでも健康診断上は何も問題なし。栄養失調でもないと。
人間の身体は不思議だ。
なんだかんだと言い訳して嫌がるのを無視して頭を洗う。
ドライヤーで乾かして、櫛でとかして・・・
老健で働いていた頃のことを思い出した。
「洗ってもらってよかったわ~。気持ちよかったわ~」
言うことまで入所者さんと同じだ(^-^)


遅れて義妹も到着し、年寄り4人での夕食。
舌鼓を打ちながらも、子や孫たちがいないとちょっと寂しい。
静かなもんだ。
ごはん以外ほぼ完食の母。よく食べた。
夜が更けるまで話はあっちこっちへ飛びながらも和やかに。
今回、チョコの詰め合わせを持って行ったら、
「こういうのが食べたかってん。アンタはいつも板チョコしか買ってきてくれへんから」
はぁ~?
ブラックの板チョコしか食べへん、ナッツやら何やら入ったのはイヤ、ミルクチョコもイヤ
と言ったのは誰やのん。ったく~

人は年取ると楽しい思い出ばかり覚えているというが、
母が話すのは辛かったり嫌だったことばかり。
そしてたいてい最後は父方の親戚の悪口になるが、
自分ではなく父がそう言っていた、という言い方をする。
「おじいちゃん(父)が言うたはったわ~」
何度も聞いた母の話ではあるが、聞くたび結末が違うのが可笑しい。
「そうやったかな~忘れてしもた」
ちゃんちゃん。
母の口から孫やひ孫の話題が出ることはない。
あれぐらいのトシになるともう、自分以外のことは眼中にないのだろうか。
生きることにはまだまだ執着している。
娘の私とはまだまだ張り合っている。
息子に頼っても娘には頼りたくないと。
まぁそうやって突っ張っているうちは大丈夫だろう。
もう一年、頑張っていきまっしょい!

翌23日は父の命日。亡くなって9年になる。
季節外れの汗ばむ陽気、久しぶりに墓参りに行った。
9年前、焼き場までの道中、見事に色づいたいちょう並木の下を通ったので、
この時期のいちょうを見ると父を思い出す。
