私にはおかあさんという存在が三人もいます。一人は広島に住む実の母、もう一人は中学高校の6年間下宿させてもらっていた岡山のお家のおばちゃん、そしてもう一人、22歳で東京に来てからずっとお世話になっている銀座の飲み屋のおかーさんがいます。
銀座のおかーさんはもともと母の知人の紹介でした。何のあてもなく東京に出てきた私を心配し、母の知人の方が音楽関係がよく集まる飲み屋があるからと、田舎者丸出しのあかぬけない22歳をザギンデビューさせてくれたのでした。行くと、めちゃくちゃ綺麗で威勢のいいママがいて、来たお客さんに自分でコートをかけて、とハキハキ言ってたのが印象的でした。そんなおかーさん、実は陶芸の先生でもあり、秩父に窯をもっていて週末は東京を離れて過ごす、という生活をもう10年位しています。以前からおいでと言ってもらっていたんですが、今回ついに家族でお邪魔してきました。
初秩父。かなりの無人駅っぷり。お家は秩父鉄道の線路が目の前。鉄道マニアならずともワクワクします。
そしてその先に武甲山。石灰岩の採掘をしてる山なんだと。だからですね、時々どかーんどかーんと音がしてました。
平家の古くて小さなお家。もう築何十年だろう。まさに古民家って感じ。虫がめちゃくちゃ苦手だというおかーさん、いやいや、だったらよく住めましたね、ここ、と思わず言ってしまった位、ま、外と中の境目があんまり無いといいますか、はい。笑。でも、すごく素敵ライフなのです。庭の柿の木からとってその場でガブリとかじりつき、朝ごはんはお友達が作ってくれたというちゃぶ台を玄関先の庭に運んで食べ、庭の野菜をとって夕飯に、庭のススキを数本切って花瓶に飾り。憧れてる人はたくさんいるだろうけど、いざやるとなったら大変なこともたくさんあるであろう、ザ・田舎暮らし。すごく幸せな小旅行でした。散歩もたくさんしました。
彼岸花、美し。
見慣れないコンビニ。
たわわなキウイ。
そんなおかーさん、今大変な病気と闘っています。一通りの治療終えたらきっと元気になるからねー。
がんばれ。がんばれ。