計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

山形県置賜地方の冬期の風向の日変化

2013年12月06日 | 山形県の局地気象
 先日の記事の続きです。タイトルの「置賜」は「おきたま」と読みます(念のため)。

 山形県南部の置賜地方には小国・長井・米沢の3か所のアメダスで降積雪の観測を実施しており、さらに海側の下関アメダスを加えて、時間帯別の出現風向を調べてみました。使用したのは、2008~2013年の各1~2月の時別観測データです。

 こうしてみると、4か所のアメダスは概ね直線上にあるような感じです。

 出現風向は次のような感じです。上段から順に朝、昼、夜の時間帯、そして各段左から順に下関、小国、長井、米沢の風配図となっています。これは、16方位で表される風向の出現比率をレーダーチャート状に表現したものです。


 従って、次の2つの特徴が考えられます。

●下関・小国では北西象限の風向が卓越しており、海上から陸に向かう季節風の特性がそのまま現れやすいようです。一方、長井・米沢では西よりの風向に加えて、地形に起因する季節風に対抗する特性(南風)も現れやすいのが特徴です。

●長井で見られる南風成分は時間帯に依存していないため「地形の存在自体の影響」と考えられますが、米沢で見られる南風成分は特定の時間帯(夜~朝)に顕著であることから「夜間の山頂から麓の平地への流れ(山風)の特性」が現れていると考えられます。


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