アヴァターラ・神のまにまに

精神世界の研究試論です。テーマは、瞑想、冥想、人間の進化、七つの身体。このブログは、いかなる団体とも関係ありません。

古事記言霊解通読-4

2022-10-25 16:57:17 | 古神道の手振りneo

◎黄泉比良坂の坂本は世界の根源

 

伊弉冊命は、黄泉醜女に加え、八種の雷神と千五百の黄泉軍も加勢して跡を追わせた。伊弉諾命は、十拳剣を抜いて、後手に振りながら逃げ、なるべく戦わない姿勢を見せつつ退却を続けた。

 

黄泉比良坂の坂本は世界の根源。ここで伊弉諾命は、三個の桃の実を取って投げたところ、黄泉軍は初めて壊走したのだった。

 

伊弉諾命は、桃の実の功績に感じ、桃の実に対し、意富加牟豆美命(おほかむづみのみこと)という名を与え、また世界人民が苦難の時になったら助けるように命じた。

 

実に現代は黄泉比良坂の、善悪正邪治乱興廃の別かれる大峠の上り口である。

最後に伊弉冊命が自ら追ってきた。これぞ神軍と魔軍との戦いの分水嶺。

 

伊弉冊命は、黄泉比良坂に千引岩(ちびきいわ)を立てて、正神国と邪神国との交通を完全に分断し、毎日千人の命を取ってやると言い放った。これにより、従来の正邪混交の時代は終了し、この世の人民は立て分けられる。

 

伊弉諾命は、それに対抗し、一日に千五百(ちいお)の産屋(うぶや)を立てると宣言した。

 

千五百(ちいお)産屋(うぶや)とは、大神に対する赤誠の精神を持つグループのこと。彼らが中心となって、物質肉体優先の世界観を排し、霊的文明の導入を図る。とは言ってもそれは、いわゆる霊主体従主義思想・イデオロギーの伝播ということでなく、個々人がすべて神を知る体験を有するのだから人間の一側面が霊であることが当たり前に思う人間たちでの出来事であることに注意が要る。

 

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石あるいは黄泉の国の境にある千引岩

2022-10-25 16:52:29 | 古神道の手振りneo

◎石は「真」のシンボル

 

出口王仁三郎の石についての論。

石は、黄泉の国の境に千引岩を置いて、黄泉の国の悪の侵入を断ち切った故事で知れるように、所在(あらゆる)虚偽と罪悪と醜穢を裁断する所の神力の備はつたものと絶賛している。まことに石は「真」のシンボル、木や花などの植物は愛のシンボルですね。

 

『因に石といふものは、真を現はすものである。そして、所在(あらゆる)虚偽と罪悪と醜穢を裁断する所の神力の備はつたものである。

 

神典古事記にも、黄泉平坂の上に千引の岩をおかれたのは、黄泉国の曲を裁断するためであつた。人間の屋敷の入口に大きな岩を立てて、門に代用するのも外来の悪魔を防ぐためである。また家屋の周囲に延石を引きまはすのも、千引の岩の古事にならひ悪魔の襲来を防ぐためである。

 

築山を石を以て飾るのも神の真を現はすためであり、また悪魔の襲来を防ぐためである。そして所在植物を庭園に栽培するのは愛を表徴したのである。

 

人間の庭園は愛善の徳と信真の光を惟神的に現はした至聖所である。故にこれを坪の内とも花園とも称するのである。天国の諸団体の有様は、すべて美はしき石を配置し、所在植物を植ゑつけられた庭園に類似したものである。

 

それから石は砿物であり玉留魂(たまつめむすび)である。故に神様の御霊を斎るのはいはゆる霊国の真相を現はすもので、月の大神の御神徳に相応するが故に、石の玉を以て御神体とするのである。

 

これ故に霊国の神の御舎は皆石を以て造られ、天国は木を以て、その宮を造られてある。木は愛に相応し、太陽の熱に和合するが故である。

 

大本の御神体が石であつたから、何でも無い神だと嘲笑してゐるそこらあたりの新聞記事などは、実に霊界の真理に到達せざる癲狂痴呆であつて、新聞記者自らの不明を表白してゐるものである。

 ああ惟神霊幸倍坐世。』

(霊界物語 第52巻15章千引岩から引用)

 

山水画とは、神なる石や岩と愛なる木で構成されているわけだ。

 

※玉留魂とは;

『火水抱合して一種の固形物体発生し、宇宙一切を修理固成するの根元力となる。これを常立神といひ、剛体素といふ。神祇官所祭の玉留魂これなり。金、銀、銅、鉄、燐、砂、石等はこの玉留魂を最も多量に包含し、万有一切の骨となり居るなり。この剛体素、玉留魂の完成するまでに太初より殆ど五十億年を費しゐるなり。』(霊界物語第6巻1章宇宙太元から引用)

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謝れば許される国

2022-10-25 16:48:19 | 冥想アヴァンギャルドneo

◎言向け和(やわ)す

 

謝ったら許す国は、どうも日本だけだ。

 

中国人・韓国人は、過ちをしでかしても絶対に自分の非を認めない。マグレブからトルコに始まりインドネシア・マレーシアに終わるイスラム圏でも、過ちをしでかしても絶対に自分に落ち度があることを認めて謝ったりしない。

 

フランス人もイギリス人もドイツ人もアメリカ人も、言い訳言い訳で、まず謝罪しない。ちょっとでも自分の非を指摘されると一気に逆切れ態勢に入る人もいる。

 

つまり自分の非を認めるというのは責任を取らされたり、損害賠償をさせられたりで大変だから、というのはわかる。

 

まあ、どこの国でもちゃんとした人は、礼儀正しく、きちんと謝罪もできるので、万人がということではない。

 

一方でキリスト教には懺悔告解で許しの秘跡を与えられるという、そもそも欧州の風俗習慣にはなかった制度があった。これは内的圧力を一時緩和するという効果はあったが、免罪符を産む土壌となった傷はある。

 

広島の原爆死没者慰霊碑の碑文には、「安らかに眠ってください 過ちは繰り返しませぬから」とあって、日本は自らの責任を認めた文章になっている。逆にこれは認めすぎかもしれない。

 

古神道には、わからずやな者を教化する定番の手法として「言向け和(やわ)す」というのがある。これは霊界物語には盛んに出て来るのだが、聖者が敵やわかっていない者に対して理屈で説得するとなぜかわかってくれるみたいな書き方であって、読んでいてもその本質はわかりにくい。

 

「言向け和(やわ)す」とは、結局破竈堕(はそうだ)和尚が竈の神にしてみせたように、相手を悟りの手前まで誘導してあげることなのだろうと思う。

 

「その非の原因となった自分の過ちも、その被害者となった他人の苦痛も一つながりの一者・アートマンである」という気づきに接近せしめるというのが、この場合の非を認め謝らせるということなのではないかと思った。

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黄泉比良坂という撤退戦

2022-10-25 07:53:11 | 人と神の「実際のところ」

◎悪をやっつけず封じ込める

 

最後の審判は、至福千年を迎えるためには、必要なプロセスであることがわかった。それでは、日本神話では最終戦争である黄泉比良坂は、なぜ撤退に次ぐ撤退を繰り返す戦になっているのだろうか。

 

黄泉比良坂はこの世とあの世の分水嶺。伊邪那岐神が霊界に入って、あらゆるあの世の悪を最初は説得するのだがうまく行かず逃げ出して、ほうほうの体で黄泉比良坂に到達し、そこに悪魔軍団が来れないように、千引の岩(動かすのに千人力を必要とするような巨石)をおいて封じ込めに成功。

 

この悪の超長期の封じ込めビジョンは、聖書はじめ諸外国の神話伝承とも共通している。

 

最近のモバゲーのように、最後は常に善が悪に勝つのであれば、悪のラスボスを退治して終わりになるので簡単だが、そうはなっていない。おまけに黄泉比良坂という最終戦争は、時間を稼いで逃亡し、時間を稼いで逃亡を繰り返しの連続。最後は堅固な国境の外に出るという華々しくない終わり方になっている。

 

万人が悟るには、時間を稼ぐ必要がある。十人でも百人でも悟った人を出すには時間がかかる。その一方で世界の腐敗、爛熟、悪化はどんどん進む。

 

悟りすました聖者覚者でも、他人を悟りに導くのは簡単ではない。馬を水辺に連れていっても馬に飲む気がなければ、水は飲まない。他人を悟りに導くことを「言向け和す(ことむけやわす)」というが、黄泉の国で、伊邪那岐神が悪の権化である伊邪那美命を言向け和すことはおろか配下の者すら悟りに導き善導できなかった姿がこの撤退戦に次ぐ撤退戦だったのだろう。

 

時間をかけた結果、悪の封じ込めには成功したが、日に千人取り殺されようが、日に千五百人産むことで、人類絶滅は回避されたとさ。

 

時間をかけたと言えば、日米は、戦後70年以上かけて中国の育成繁栄に努力したが、その親の心子知らずではないが、国力充実した中国の台湾進攻は、今年とも来年とも予想されている(米海軍制服組トップのギルデイ作戦部長は2022年10月19日、中国による台湾侵攻が起こり得る時期について「2022年や23年の可能性を排除できないと思う」と発言)。

中国による台湾侵攻が発生すれば、米軍が在日米軍基地から台湾に向け発進した瞬間に、日本は中国の攻撃目標になるから、中国は敵国と化す。時間をかけるとはそういうことのためだったのだろうか。

 

逃げ切れる日本人は何パーセントだろうか。

 

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