◎まず食事のコントロールから
道教でこれぞ窮極の呼吸法というべきものは胎息である。胎息を極めた葛玄は、ひどく酔った時や夏の暑い盛りには、必ず深淵の底に潜って一日ほど経ってから上がってきたそうだ。
抱朴子によると胎息のやり方は次のとおり
1.鼻の中に気を引き入れて閉ざし、心の中で120まで数える。
2.120になったら、かすかに口から息を吐き出す。吸うのも吐くのも音が聞こえないほどにして、水鳥の羽毛を鼻と口の上に付けておいても、羽毛が動かない程度。入る方が多く、出る方が少ないようにする。
3.慣れてきたら120から段々数を増やしていく。千になると老人も日一日と若返る。
4.気を巡らすのは、毎日夜半から正午までの生気の時間帯とすること。
5.大食してはいけない。生の野菜や脂っこいもの、生魚などを食べると、気が強くなって閉ざしにくくなるので、これを食べてはだめ。それに、怒ると気が乱れ、気が自然に溢れ出ることができなくなるので、怒ってはならない。
(参考:平凡社/抱朴子)
抱朴子では、房中術だけやってもだめ、呼吸法だけやってもだめで、この二つに金丹を飲むことを併せた3つやって初めて成るとしているので、これはクンダリーニ・ヨーガの厳格な修行ルールと見た。
平素から高級食材コーナーを見て回るグルメの方や、油料理の多い外食中心の方では、まずトライする前提条件がないということになるだろう。ダイエットでも、まず食事のコントロールからということだが、食事のコントロールもそれなりに志が必要なのものだと思う。