◎古神道
ダンテス・ダイジと古神道の関わりと言えば、出口王仁三郎だが、あまり見えにくい。彼は、大本教の短期セミナーに参加し、立替立直しを学び、鎮魂帰神も学んだことがあるらしい。
霊界物語に三神系という主要神の系図があるが、その中の野立彦神こそダンテスであるという説明も自らしている。古神道の言霊では、返しというのがあり、NODATEはDANTEに返るのだろうか。
彼の冥想道手帳に次のものが入っている。
1.天の数歌
「一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 百 千 万」
(読み:ひと ふた み よ いつ むゆ なな や ここの たり もも ち よろづ )
天の数歌を唱えれば、あの世もこの世もまとめて修祓できる。
2.われもなく現世(うつしよ)もなくただ一人神の御前(みまえ)に平伏(ひれふ)しをろがむ
(出口王仁三郎/大本の道 第6章 祭─惟神の大道に所載)
3.大本宣伝歌
「朝日は照るとも曇るとも
月は満つとも欠くるとも
たとへ大地が沈むとも
まがつの神がすさぶとも
誠の力は世を救う
三千世界の梅の花
一度に開く神ののり
開いて散りて実を結ぶ
月日と土の恩を知れ
この世を救う生神(いきがみ)は
高天原(たかあまはら)に神集(かむつど)う
神がおもてに現われて
善と悪とを立て別(わけ)る
この世を創(つく)りし神直日(かむなほひ)
心も広き大直日(おほなほひ)
ただ何事も人の世は
直日に見直せ聞直せ
身のあやまちは宣(の)り直せ。
ああかんながらかんながら
たまちさちはえましませよ」
世界全体の立替立直しが発生し、誠の力により、善なる者だけが次のみろくの世に残っていくことを宣伝している。
4.冥想道手帳ではないが、「われは空行く鳥なれや」の歌を大変気に入っていて、揮毫などしていた。
この歌は、出口王仁三郎が高熊山の一週間修行で大悟した際に詠んだ歌。まるでダンテス・ダイジ自身が出口王仁三郎になったかのような心酔ぶりである。
『我は空行く鳥なれや
○○○○○○○○○○(原文のママ)
遥に高き雲に乗り
下界の人が種々(くさぐさ)の
喜怒哀楽に囚はれて
身振足振りする様を
我を忘れて眺むなり
実げに面白の人の世や
されどもあまり興に乗り
地上に落つる事もがな
み神よ我れと倶(とも)にあれ』
ダンテス・ダイジは、出口王仁三郎の古神道とのかかわりについてあまり言及していないかに見えるが、本田親徳、出口王仁三郎と続く日本近代の神業に密接にかかわっていたことは疑いもないと思われる。
だが、弟子たちに大本教に入信せよなどと指示した例は聞かない。その辺は、大本教との関わりについては距離を置いていた印象がある。
私も最近でこそ、出口王仁三郎の事績や大本教の歴史や概要についていささか承知しているが、1970年代においては、ネットもなく、さほど情報を集めることもできなかった。
ただしダンテス・ダイジが、殊更に日本に出現し、かつ出口王仁三郎に大いに関心を寄せ、その鎮魂帰神の技と生き様に大いに感銘を受けていたことは、はっきりしている。ダンテス・ダイジは、社会性、特に政治方面には関わりは薄かったが、古神道に係る部分は例外的に霊的に関与していたと見るべきだろうと思う。ここはご神業であるがゆえに隠されている部分ではある。