アヴァターラ・神のまにまに

精神世界の研究試論です。テーマは、瞑想、冥想、人間の進化、七つの身体。このブログは、いかなる団体とも関係ありません。

その時に見るやすらぎ-6

2024-03-25 12:43:05 | エクスタシス 夢の夢なるneo

◎オーディン

 

北欧神話の主神オーディンは、巨人中の賢者のミーミルの守る知恵の泉の水を飲むために片目を差し出した。

ミーミルの泉は世界樹イグドラシルの3本に分かれた根のうち、霜の巨人の側に張り出した根元にある。

泉の水の鏡をのぞき込む者は、何よりもまず自分の姿を見る。出口王仁三郎がその教団で本守護神たる自己を奉斎させたように、内面への世界への旅は、必ずしも愉快なものではない自分自身と出会うことから始まる。

水鏡に映る自分の姿は、自分の影である。しかし自分の影の先である水底には宝があることが知られている。水底の宝を手に入れるという行為は、歴史上にしばしば魚を取るという行為としてシンボル化されて出て来る。水面下とは、死の世界であり、集合的無意識の世界である。

魚さえ取れば、その泉の水さえ飲めば、この世とあの世を股にかけた本当の自由を手に入れることができ、人間的苦悩からの解放がある。だからそのことは宝として表現される。

しかし水面下の知恵を手に入れるということは、我々にとって、いわば生きるか死ぬかの問題である。この世のあらゆるものを捨てさせられることになるからだ。オーディンは片目を失った代わりにそれを手に入れた。

オーディンですらこの世的なものを捨てさせられた。アダムとイブでは、知恵の実を食べた代わりにエデンの園を追放されることになった。

オーディンは、ミーミルに片目を差し出して、敢えてこの上ない癒しを求めたのだ。知恵とはあらゆる人間的苦悩を超越できる叡智である。よってこの知恵こそ無上の癒しに他ならない。

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ホルスの目

2024-03-25 07:44:56 | 浅い霊感から神人合一まで

◎護符の効果と功罪

 

ホルスの目(ウェジェトの目(左目))は、ホルスが父オシリスの仇であるセトを討つ時に失われたが、(この左目はホルスの下を離れ、エジプト全土を旅して知見を得た後)知恵の神にして月の神・時の神であるハトホルによって癒され(ホルスの下に戻り)、回復した。

そのため、「ホルスの目」は「全てを見通す知恵」や「癒し・修復・再生」の象徴(シンボル)とされた。またホルスが癒された目を父オシリスに捧げたというエピソードもある。

また、守護神としてのウェジェトの性質から、守護や魔除けの護符として用いられた。

 

大英博物館の猫像(Gayer-Anderson:https://www.britishmuseum.org/collection/animals/gayer-anderson-cat)は、猫神バステト神の一変化だが、胸のホルスの目の護符が印象的。

またツタンカーメンの副葬品でもホルスの目の護符(https://egypt-museum.com/winged-scarab-pendant-of-tutankhamun/)が見事である。

 

護符というものは、用いれる人と用いれない人がいると思う。霊道が開いている人、霊道が開いていない人ということであって、誰もがアクセサリーだから買ってもよいということにはなるまい。護符効果については、よくよく考慮すべきだと思う。生兵法は大怪我のもと。

違法賭博ではないが、素人が手を出すべきものではないものは世の中には多い。

 

北欧神話でも片目を捧げて全智を得るモチーフはある。

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