◎人間を生きづらくする政治は問題だが、神仏に近づかない自分の方がもっと問題
旧ソ連崩壊で、アメリカ独覇時代が続いて略30年。その当時には想像もつかなかった荒涼とした風景が、日常と世界に広がっている。
典型的な豊かな個人の日常生活と言えば、1950年代のアメリカ市民の暮らし。旧ソ連崩壊で、鉄のカーテンの冷戦も終わり、西側も東側も、リッチで少々ゴージャスな生活がこれからはできるのではないかと、当時は、夢想していた。
それ以前は、西側が善玉で東側が悪玉という世界の見方だったから、それも当然。
ところが、日本は中国に対し実質的な戦時賠償の意味合いも込めて、資金も人材もノウハウも技術も豪雨のように投入し、中国が世界第二位の製造大国、経済大国となることを大いにサポートし続けた。その結果、日本の政治家は、あの手この手で籠絡され、今や与野党の7、8割程度が媚中派、買弁議員となり、日本の政界は実質的に中国の属国同様になり果てたといえよう。
戦後の日本の急速な経済復興のノウハウを日本の官僚から学んだ中国は、果たして日本を上回る急速なスピードで経済成長を成し遂げた。
こうして国力を増強した中国は、ロシアと協力して米ロ中心の国際秩序を破壊して中国之夢なる中国中心の世界秩序構築の野心を表明して、現在に至る。
豈はからんや、中国GDPの3割を占める不動産業で中国は不動産バブルとなり、にわか成金が多数発生したが、いまや不動産バブルは完全に崩壊し、民間企業、地方公務員の賃金不払が多発し、スマホと監視カメラで完全に国民の思想・行動を管理しているはずが、無差別殺傷事件が連続発生するという経済麻痺と民心不安の状態に立ち至っている。
一方で欧米は、環境政策と移民受入れ促進、LGBTなどのリベラル政策により、産業基盤は弱体化し、伝統的な家族制度は崩壊、治安も悪化して、リベラル政策にはほとんどメリットのないことが、欧米各国の国民の反発により、明らかになりつつある。あきれたことに、米国民主党の圧力のもとに、これらリベラル政策を周回遅れで導入しようというのが日本である。
冷戦以前は、国際政治は西側が善玉、東側が悪玉とわりに単純だった。ソ連崩壊以後は、一時オール西側に見えたものが、いつしか中ロが叛旗を翻し、残った旧西側諸国は、なぜか自国民の利益にならないリベラル政策を重ねているように見える。
こうした状況は、私が見るところ、地球全体として人類絶滅政策に誘導しているようにも見える。
人類絶滅策と言えば、全面核戦争を思い浮かべる人が多いだろうが、婉曲に見えるが、ほとんどの人を生きづらくさせる圧政を行うのも、家族を含む人間関係がぎすぎすし、外では治安が悪化し、大局的に個人間も国家間も争いを起こしやすくなるということで、これも立派な人類絶滅策である。中国のことわざの「苛政は虎よりも猛し」は、時代を超えた真理である。
(「苛政は虎よりも猛し」:
孔子が泰山付近を通ったときに、女性が墓の前で泣いているのに出会った。女性は、舅と夫とわが子が虎に食い殺されたと言う。彼女がそれでもこの地を捨てて出てゆかないのは、税金が安く国民負担率が低いからだと答えた。:日本の国民負担率はなんと6割となった。)
為政者が人類絶滅政策に誘導しているなどということは、人の好い善男善女や社会の常識人には信じられないことかもしれないが、為政者が悪人であったことは、ヒトラー、スターリンを挙げるまでもなく史上いくらでも例はある。
ただし、旧約聖書イザヤ書にあるように人類愚民化と絶滅が神の意志であることを示す古伝承、神話もあるものだ。古事記でイザナミ命が毎日1000人ずつ殺すと言ったのに対し、イザナギ命は毎日1500人の子供が産まれるようにすると言ったのもそうした例の一つと考えられる。
政治にも期待できない中、自分ができることは、冥想により本当の自分を見つけて神仏に出会うことである。そうして初めて自分は本当に自分らしい生を生きることができる。
自分が神仏に出会うあるいは神仏となる体験とは言えない体験を経れば、世界は争いのない時代に向けて一歩踏みだす。自分が他人を傷つけることなど決してできやしないとわかれば、そうした人が徐々に増え、人類絶滅を回避し至福千年の新たな時代を現実化することができる。