◎チャクラと健康管理
(2007-02-23)
チベット医学では、気の通り道を脈管と呼ぶ。これはウパニシャッドの考え方と同じ。
ルン(風)は、日本や中国でいうところの気で、チベット医学では、この霊的なエネルギーであるルン(風)が我々の日常生活のすべてを成立させているとする。また身体や心の中だけでなく、大気中にもルン(風)があるが、このルンが流れる通路のことを脈管(ツァ)と呼ぶ。脈管(ツァ)は、気の通り道に加え、血管、神経も包含した呼び名となっている。
脈管(ツァ)の中心となっているのが中央脈管。これは、頭頂から性器の先端まで一直線に走り(スシュムナー管と同じ)、その中央脈管にからみつくように右方脈管(ピンガラー管)、左方脈管(イダー管)が通り、それぞれから無数の脈管が派生し蜘蛛の巣のように全身に張りめぐらされている。
中央脈管上に左右の脈管の交差する場所があり、ここにコルロと呼ばれるチャクラがある。この場所は神経叢でもあり、医学上重要なポイントとされる。交差点上のチャクラは、上からアジナー・チャクラ(眉間)、ヴィシュダ・チャクラ(喉)、アナハタ・チャクラ(ハート)、マニピュラ・チャクラ(へそ)、ムラダーラ・チャクラ(会陰)の五個所。
チベット医学では、このチャクラ(コルロ)を瞑想や観想により浄化することで、心と身体に健康をもたらすことができるとする。
(参考:ダライラマ14世の主治医が語る心と身体の書/ロプサン・ワンギェル/法研)
これには、チャクラとは認めがたい頭頂のサハスラーラ・チャクラと、大安心のセンターであるスワジスターナ・チャクラが含まれていない。この2つは、肉体の健康とはあまり関係がないということになるのだろう。
チベット医学は、クンダリーニ・ヨーガの技法で、(肉体ではなく)心の方を統御することで肉体の健康を維持、回復させる方向の医学であるとみてとれた。
ロプサン・ワンギェルの前任のダライ・ラマの侍医イェシェー・トゥンデンは、「健康とは、小宇宙(人)と大宇宙が正しい関係にあること。病気とはその中断である」喝破した。
これを地球について言えば、異常気象は地球の病気。それは人と大宇宙との関係が正しくないということになるだろう。