12月はサラリーマン待望のボーナス月です。
ところが今年は新型コロナの感染拡大で企業業績が低迷していることから、ボーナス支給が前期と比べて大きく減少する会社や出ない会社など、サラリーマンにとっては相当厳しい年末になっているようです。
そうした中、12月10日には全国の殆どの公務員にボーナスが支給されました。
国家公務員の平均支給額は、民間企業との格差を解消するための引き下げなどで、去年より3万円余り、率にして5%少ない、およそ65万円で、3年連続の減少となったということです。
一方、三菱UFJリサーチによる調査では、民間企業のボーナスは1人当たりの平均で347,800円、前期比10.7%の減少となっており、この調査を見る限りでは、まだまだ相当な官民格差があるような気がします。
「ボーナスの語源」
ところで「ボーナス」の語源はどこからきているのでしょうか?
調べてみると、ボーナスの語源はラテン語の「bonus(ボヌス)」であると言われています。
このボヌスはローマ神話に登場する、成功と収穫の神「Bonus Eventus(ボヌス・エヴェントス)」で、bonusには「良い」という意味があります。
ブリタニカ国際大百科事典にも、原義はラテン語で「良いもの」「財産」という意味と説明しています。
「ボーナスの起源」
では、日本においてボーナスはいつから、どのようなきっかけで支給されるようになったのでしょうか。?
日本では、ボーナスと似たような風習に、江戸時代の習慣の「お仕着せ」があります。
お仕着せとは、主人が奉公人に着物を与えることを言います。
これは、住み込みで働く奉公人が唯一の休みである盆や正月に田舎へ帰る際、身ぎれいにしてお帰りなさい、といった意味を込めて主人から支給されるものです。
更に、暮れには主人から奉公人に対して「餅代」と記された包み金が与えられました。
これらの「仕着せ」や「餅代」が時代と共に変化し、現在の夏と冬のボーナスになったと言われています。
そして、企業が従業員にボーナスを支給したのは明治7年(1874年)、三菱財閥の創業者である岩崎弥太郎が初めてといわれます。
ボーナスは、従業員の奮闘で競合他社との価格競争を勝ち抜いたことに対する報奨という意味で一時的に支払われたものですが、明治21年(1888年)からは制度として、毎年決まった時期にボーナスが支給されるようになりました。
それをきっかけに、日本国内にボーナスという制度が普及したといわれています。
「夏と冬に支給する理由」
でもなぜ、ボーナスは春や秋ではなく、夏と冬に支給されるのでしょうか?
その理由は、戦後の日本の経済復興期に、労働者が足並みをそろえて、夏季(お盆)や冬季(年末年始)に休暇を取得して帰省や旅行などをする風習が定着し、それに対する臨時収入という意味合いでボーナスを支給する企業が多く現れ、夏季・冬季のボーナス支給が定着したというのが実態のようです。
いずれにしてもボーナスはサラリーマンの大きな収入源です。
昨年までのように、どの会社もボーナス支給が可能になるように、好調な経済状態に早く戻ってほしいものですね。