雨模様
大阪南部の熊取地方は先月から一昨日まで殆ど雨が降っていません。
雨模様になって雨の期待を持たしてくれた時もあったのですが、いつも期待外れでした。
たまに降っても精々パラパラっと気休め程度に降るくらいで、とても畑の土が湿るまでにはなりません。
カラカラに乾燥した畑の畝は白い土のままです。
毎日、「雨降らないかなあ~」とつぶやいていたところ、昨日、やっと降ってくれました。
こんなに雨を待ち望んだことは初めてのことです。
ところで、冒頭に雨模様という言葉を使用しましたが、この言葉の意味について誤解している人が案外多いということです。
そこで今日は約2か月ぶりに畑を潤してくれた雨に感謝しつつ、この言葉の意味について調べました。
「雨模様の意味」
皆さんは「雨模様」の本来の意味について次のどちらだと思いますか?
(ア)「雨が降ったりやんだりしている様子」でしょうか?
(イ)「小雨が降りそうな様子」と言う意味でしょうか?
「国語に関する世論調査の結果」
平成22年度と平成15年度の国語に関する世論調査の結果です。
設問:「外は雨模様だ」という例文を出して「雨模様」の意味を尋ねました。
「回答結果」 平成22年度 平成15年度
(ア)雨が降りそうな様子・・・・・・・・・・・ 43.3% 38.0%
(イ)小雨が降ったりやんだりしている様子・・・・47.5% 45.2%
(ア)と(イ)の両方・・・・・・・・・・・・・・4.8% 9.4%
「雨模様」を辞書で調べてみると、
・「日本国語大辞典」では、雨が降り出しそうな様子。あまもよう。雨催(あまもよい)。
・「岩波国語辞典」では、今にも雨が降りそうな空の様子。あまもよう。あまもよい。
・「広辞苑」では、雨の降りそうな様子。あまもよい。
と説明しています。
辞書が示すように、「雨模様」とは、元々は「あまもよい」「あめもよい」と言われており、「雨が降りそうな様子」を示す言葉なのです。
ところが、平成22年度の「国語に関する世論調査」では、本来の意味である(ア)の「雨が降りそうな様子」と答えた人が4割台前半で、本来の意味ではない(イ)の「雨が降ったりやんだりしている様子」と答えた人が4割台後半と約半数を占める結果でした。
これを年代別にみると平成22年度も15年度も共に30代から50代では本来の意味でない(イ)の方が多く、20代以下と60歳以上の層では本来の意味の(ア)の方を選んだ割合が高くなっています。
元々、この言葉は『あまもよい』とか『あめもよい』と言われており、『もよい』とは、『催す』の意味で、雨を催す、つまりこれから降りそうなと言う意味が模様に変化したものなのです。
ところが「催す」と言う意味が忘れられ、「模様」を「様子」の意味と捉えたことから、雨が降っている状況をイメージするようになったのではないかと言われています。
雨模様の本来の意味は、「雨が降りそうな様子」ということで、未だ雨が降っていない時に使う言葉です。
「雪模様」と言う言葉もありますが、これも同様です。
間違って使用しないように気をつけたいものですね。
それにしても昨日の雨は待ちに待った雨であり、こんなにうれしい雨は初めてです。