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らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

「イカナゴのくぎ煮」の由来

2022-03-05 | 地元紹介

明石に春を告げる魚、イカナゴの稚魚「シンコ」漁が3月1日、大阪湾や播磨灘で解禁され、早速、水揚げされたイカナゴを買い求める人たちのニュースが流れていました。
「イカナゴ」は全国で水揚げされていますが、瀬戸内海沿岸は良質な「イカナゴ」が獲れる漁場として知られています。
兵庫県淡路島や沿岸地域の阪神、播磨地域ではイカナゴの佃煮は郷土料理の「イカナゴのくぎ煮」として広く普及しており、神戸の人たちは「イカナゴのくぎ煮」を見かけると「そろそろ春だなぁ」と感じるそうです。

「イカナゴの名前の由来」
「イカナゴ」の名称は、「いかなる魚の子なりや」という意味が名前の由来だそうです。
「イカナゴ」はカマスに似ていて区別がつきにくい事や水温が高くなる夏には砂に潜って休眠する習性がある事から、その生態が不明な点を指して、「いかが(如何)」、「いかなる(如何なる)」、「魚(な)」の「子(ご)」なのかという意味で「イカナゴ」と呼んだということです。

・水揚げされたイカナゴです。


「くぎ煮の由来」
イカナゴの佃煮がなぜ「くぎ煮」と呼ばれるのか?
佃煮にした「イカナゴ」の折れ曲がった姿が、錆びた釘に似ていることから、この名前が付けられたそうです。
しかし、くぎ煮は昔ながらの神戸の伝統料理という訳ではありません。
昔は、イカナゴは釜揚げやちりめんにされるだけだったそうです。

ところが、昭和10年のある時、一人の客が神戸市垂水区の鮮魚店に「イカナゴのくぎ煮を作ってくれ!」と頼み込みました。
そこで店主は醤油などを加えてイカナゴを炊いてみたところ、これが大評判となり、商品として店頭に並べるようになったということです。

昭和40年代に入って、垂水漁協の組合長がこの佃煮を「くぎ煮」と命名しましたが、その頃には既に地元ではごく一般的な食品であり、春になると各家庭でイカナゴを煮るようになっていたそうです。
現在では神戸市だけでなく関西の広い地域で「くぎ煮」が作られています。

・イカナゴのくぎ煮です。


「くぎ煮の作り方」
地元ではイカナゴを醤油、みりん、砂糖、生姜などで水分がなくなるまで煮詰めます。
他にも、柔らかくするために酒を使ったり、保存性を高めるために水飴を加える事もあります。
タレがなくなるまで煮るので、焦げ付かない様に、そして身が崩れないように、火加減を調節しながら慎重に煮詰めて作ります。

我が家でも数年前に一度作ったことがありますが、大阪南部の泉州地方のスーパーではイカナゴが手に入りません。
恐らく店頭に並んでもすぐに売り切れてしまうのでしょう。
昨日行ったスーパーの魚売り場にはありませんでした。
もし、手に入れば作ってみたいと思います。