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東直己『半端者-はんぱもん-』2011・ハヤカワ文庫-ススキノ探偵シリーズの前日譚です

2024年12月24日 | 北海道を読む

 2019年のブログです

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 東直己さんの『半端者ーはんぱもんー』(2011・ハヤカワ文庫)を再読しました。

 東さんは札幌在住の小説家。

 『探偵はバーにいる』や『バーにかかってきた電話』などが有名で、映画化もされています。

 本作は、そのススキノの探偵が、まだ北大在学中の前日譚のできごとを描いた小説です。

 主人公は後日譚を想像させるようなお酒とギャンブルの生活を送りながらも、どこか一本、筋のとおった生き方をしていて、そこが魅力。

 まだ北大哲学科を中退する前で、一応、勉強もしている身であり、親友の高田(続編にも登場します)に誘われて、ミルトンさんの『失楽園』(!)の抄読会などにも真面目に参加しています。

 そして、家庭教師のアルバイトも複数、こなしています。

 しかし、生活の基本はお酒であり、おつまみです(なんだか今のじーじみたい)。

 その主人公が、ちょっとしたことからフィリピンダンサーがらみの事件に巻き込まれ、大変なことになります。

 最後は、……読んでのお楽しみ。

 まだ若き日の桐原というヤクザも登場し、物語に深みを与えます。

 本書はなぜか、しばらく息子のところにあったらしいのですが、今回、戻ってきて、再読をしました。

 久しぶりに読みましたが、やはりいい小説です。

 いい小説が読めて幸せです。             (2019.12 記)

 


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