2015年のブログです
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じーじの大好きな小説家の南木佳士さんの文庫最新作『陽子の一日』(2015・文春文庫)です。
南木さんはじーじより三つ年上で,1989年に『ダイヤモンドダスト』で芥川賞を取っていますが,じーじはその時からのファンです。
あまり派手ではないですが,身の丈を大切にした小説家で,なんとなく人生を闘う同志という感じがします。
この小説も,主人公の中高年の女性内科医,同期の男性内科医,若い男性内科医,その他,さまざまな人生模様が描かれます。
いずれも不器用に,いかにも生きづらい人生を無骨に歩む姿が大変そうですが,自分を見ているようでもあり,共感させられます。
地道に生きていこう!とあらためて考えさせられる一冊です。 (2015.7 記)
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2022年春の追記です
その後の南木さんの小説を読んでいても、不器用な主人公が多いですね。
中には、加えて、小心者の主人公もいて、同じ小心者のじーじ(?)はすごく共感してしまいます。
そのせいもあってか、病気になったりして、なかなか大変ですが、ヒーローの出てこない小説もなかなかいいものだなと思ったりします。 (2022.3 記)