ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや訪問カウンセリングなどをやっています。

村上春樹『村上さんのところ』2015・新潮社-「ユーモア」と「遊びごころ」の大切さ

2024年10月20日 | 村上春樹さんを読む

 2015年のブログです

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 村上春樹さんの,村上さんのこころ,ならぬ,『村上さんのところ』を読みました。

 すごくおもしろかったです。

 村上さんの読者やファンの質問に,村上さんが一つ一つ丁寧に答えるという本ですが,ユニークな質問に,ユニークな回答がとてもよかったです。

 中でも,個人的には,妖怪ポロンのやりとりがおもしろかったです(くわしくは本書59ページをお読みください)。

 村上さんの小説は,内容がけっこう重かったり,深かったりしますが,少しのユーモアやゆとりや遊びなどがそれを救っているような気がします。

 真面目で苦しくても,決して煮詰まらずに,いつか前向きになれる印象です。

 本書でもそれは同じ感じです。 

 心理療法やカウンセリングでもなかみや内容,雰囲気などが重いことが多いですが,少しのユーモアや遊びで救われることが多いと思います。

 小児科医で精神分析家のウィニコットさんのいう「遊びごころ」について,くわしく述べたのは精神分析家のオグデンさんですが,ウィニコットさんのいう「遊びと創造」は本当に重要だと思います。

 なお,ユーモアたっぷりの本書の中で,唯一,原発と東日本大震災について語る村上さんはめずらしく「熱く」なっています。

 被害者への強く深い思いと,一方で,責任を取らずに運転を再開する国や企業への怒りがひしひしと伝わってきます。

 優しさと怒り,弱いものの側に立つ村上さんの決心が垣間見えます。

 貧しくても,清く生きたいと,つくづく考えさせられる一冊です。       (2015記)

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 2018年5月の追記です

 本書の文庫本が出ましたので、買いました。

 じーじの大好きな妖怪ボロンのお話(ポロンじゃなくて、ボロンでした。すみません)は、文庫本では139ページに出てきます。     (2018.5 記)

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 2018年9月の追記です

 文庫本の『村上さんのところ』を読み終わりました。

 やはり、すごく面白かったです。

 この本も、電車の中で読むのは危険な本です。

 ところで、今ごろになって、大きな勘違いに気づきました。

 それはじーじの大好きな妖怪ボロンのことなのですが、今までじーじは、ボロンは女性が胸を出すのだろう、となぜか勝手に思っていたのですが、これが大きな勘違いで、正しくは男性がパンツを脱いでしまうらしいのです。

 これではじーじのボロンのイメージ(?)とは少し違います。 

 勝手に間違えて、違います、もないのですが…。

 困りました。

 でも、じーじの間違いにも何か意味がありそうな気もしますので、しばらくはこの意味を探求していきたいと思っています。

 臨床心理学の世界は奥が深い(?)です。       (2018.9 記)

 


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