三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

首都圏住宅リフォーム事情

2006年12月20日 05時27分59秒 | Weblog

写真は、16日に訪問した日経新聞社主催による晴海ビッグサイトでの
「住宅リフォームフェア」の様子です。
土曜日にしては、イマイチの来客のようで、
時期的にも年末のこの時期は、買い物に忙しく、
一般客の誘引は難しい時期なのかも知れません。
まぁ、そういうことなので、逆にわたしのように市場調査的に
いろいろな事業者さんにヒアリング調査を目的にしているものにも
対応して、けっこう、本音の部分も聞けたので有意義でした。

よく「悪徳リフォーム業者」云々、という報道がされていますが、
その背景のようなものはなかなか知られることがないと思います。
で、いろいろな出店されているリフォーム業者さんの
営業現場でやっている方たちに聞くと、
首都圏の住宅リフォームニーズのかたちが見えてくる部分がありました。
とくに東京23区内などでは、マンションを除いて、
戸建て住宅の場合、そもそも、現状、建っている状態自体が
脱法的、不適格的に建っているような住宅が多く、
こういう状態の建物をどうにかしようと考えるとき、
「まともな業者」では、対応できない工事のニーズが存在すると言うことのようなのですね。
ようするに、違法状態の上にまた、さらに増築したいとか
脱法的に建築したい、というようなケースが多い、というワケ。
断片的には、ウチの「住宅クレーム110番」なんかに、
「隣家が、違法な増築をやっている」とかいうような投稿があるのですが、
どうも、そういうケースが一般的にも存在するようなんですね。
当然、まともな事業者さんは手を出せませんので、
元々、建築業の資格もないような連中が、請け負ってやるケースがあるのだそうです。
ふ~む、そういう事情か、と腑に落ちた次第。

北海道では、訪問販売系の、
主にサイディング販売のトラブルというケースが多いのですが、
ところ変われば、変わるものという印象を持ちました。
仙台の街を見ていても、この「現状不適格」建築の問題は、
どうすればよいのか、と考えさせられるポイントではあったのですが、
悪徳リフォーム屋が跳梁跋扈する温床になっている、というのは・・・。
やはり、この問題、ひとつの解決の方向としては、
1・リフォーム工事の届け出を義務づける、という点と、
2・現状不適格の建築再生に対しての法整備、
が必要なのではないかと思います。
たしかに容積率や、建坪率などの点で現状が法律に合致しない建築は
なるべく延命できないように、建て替えさせて本来の法律の趣旨通りの
建築基準法通りの街並みにさせるべきではあるのですが、
そのことを墨守する結果、街並みの正常な更新が滞ってしまっている、というのも大きい。
そしてさまざまなトラブルが進行しているのであれば、
もう少し、柔軟な法の運用が考えられてもおかしくはないと思うのですが・・・。
やっていいことと、ダメなことの線引きをしっかりさせるだけでも意味があります。

老朽化し、つぎはぎだらけの戸建て住宅が延々と連続する街並みと、
超高層の金属的な建築が併存しながら、
奇妙なたたずまいを見せているのが、首都圏地域ですが、
そろそろ、この問題、もうすこし、みんなで考えるべきではないのでしょうか。
ここをうまくできれば、リフォーム産業というのが、
街並みを再整備していく、活力に満ちた新産業として生まれ出る可能性があります。
いかがなものでしょうか、ね。
コメント
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