国土交通省の住宅性能誘導策の結果、
高断熱高気密住宅が推奨されて、その当然の帰結として
換気の義務化、がされるようになっています。
計画換気の手法としては、吸気は自然吸気で排出を機械で行う
「第3種換気」が一般的に多く採用されています。
その場合、多くのケースでは天井の隙間に蛇腹ホース上の
換気経路を家中、巡らせるという手法がとられています。
弱点としては、メンテナンスがしにくいことと、
コスト高になりやすいという点が上げられると思います。
写真はきのうもご紹介した設計者の自邸の様子。
ここでは実験的に、一番安価な直行管を、片流れの屋根頂部に沿うように
配管しています。ごらんのようにその上、正直に露出。
右端に吸気用の吸い込み口が付いています。
このように配管して、屋根面に向かって上昇させて、
排出口付近で、排気用の換気扇を装置させているわけ。
換気扇も一番安価と思われる低電力消費タイプを採用しています。
ここまで、正直にあらわしていると大変清々しい印象を持ちます。
それに、別段不細工とも一概には言えない。
鉄板製の素材感も本物の質感が感じられて、
むしろ、インテリアの一部分として、調和もしています。
もちろん、こうやって装置させる一番のメリットはメンテナンスの容易さ。
可動式の蛇腹の場合、建て主が自分でなかを掃除するというのは
ちょっと考えにくい。
その点、こういう装置ならば、
なによりも、毎日目に触れるから、換気ということの大切さを
日々、教えてくれているかのようだし、
簡易にメンテナンスしようという気分も起こさせてくれます。
なにより、装置全体が、大変安価で出来上がるというのも大きい。
どうなんでしょうか?
こういう風にしてあると、けっこうメリットは大きいと思うのですが。