アジア諸国の古い家具って
独特の風合いがあって、人気が高まっているようですね。
経済力に違いがあるからか、
こうした国々のものは、日本円で考えたら格安なのも大きいポイント。
なんですが、より大きくは
最近のユーザー嗜好の中に、古いものの持つ癒しの力への傾向が見られます。
古民家への憧れというような部分から出てきたものでしょうか。
先日、日本の高度成長期ハウスメーカーシステムという流れを
唱導してきたような方とお話しする機会がありましたが、
戦後の高度成長期には、伝統的な住宅への価値観について
こういう嗜好とは、かなり違った価値観で来ていたのだなと感じさせられる部分がありました。
それは、日本人は真っ新な新築住宅というと、
白木の清々しい空間をイメージしていて、
たとえば無節の白木を尊ぶ、という意見がありました。
他人の手垢が付いていない、ということを喜ぶということですね。
まぁ、確かにそういうものがメインの流れであったとは言えると思います。
それが高度成長の中で、
無節の白木というものの希少価値が高まって高騰し、
それを表面に薄くスライスして合板とするものまで出現していた。
こういった考え方とは、この写真のような嗜好は
まったく対極的だと思います。
むしろ、新築なのにいきなり古く懐かしく感じる。
そういうことに価値観を感じるような動きが大きくなってきている。
一方で、相変わらず白っぽい空間も支持されてはいる。
まぁ、コストパフォーマンスからなのか、
「すっきりしたモダンデザイン」というような意味合いなのか。
ただし、こういう白っぽい空間嗜好も、高度成長期の
「白木の空間」というものとは違って、
むしろ、プラスチックに慣れ親しんだ世代の空間感覚に近いものとも思える。
まぁ、手垢というか、生活の痕跡そのものというような
こういう古民具に惹かれる流れというのは
かなりわかりやすい嗜好性として、定着してきている気がしますね。
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