先日、見学して来た北海道伊達の有珠善光寺。
北海道で一番古い開基伝承を持っている寺です。
なんでも、日本最初の「大師」号を朝廷から受けた慈覚大師・円仁さんが
この寺を826年に開基したということです。
このあたりの開基伝承はどうもあやしい。
というのは、円仁さんはこの年には30歳で、まだ伝教大師・最澄の弟子のときです。
この時期に、天台宗は盛んに関東や東北地域一帯で
布教活動は行っているようではありますが、
年号も、どうも間違いがあるように思われます。
たぶん、これより32年ほど後が、合理性もありそうな開基年代の可能性はある。
ただしその年だとしても、円仁さんは62歳だと言うことなので、
自分でこの地まで、足を運んだと言うことは信じがたい。
この慈覚大師・円仁さんという人物は、
遣唐使として唐に渡り、苦難の末に中国から多くの仏教経典や最新の宗教法理を
日本にもたらした功績を立てた。
かれが日本に帰着したときには、朝野を上げての
熱狂的お祭り騒ぎになったと言うこと。
政教分離の社会になっている現代日本人が想像できない、古代日本社会の一大事件。
朝廷はかれの功績をたたえて、
その師、最澄よりも先に弟子であるかれに「大師」号を与えたのですね。
そういった古代における民族的慶事の人物として大スターになり、
その後、国家が関与する宗教施設寺院にかれの「開基伝承」が残された。
歴史に残された事実としては、これらは確かなことで、
そういった脈絡から、北海道のこの地にまでかれの開基伝承が残されたのか。
ただ、火のないところに煙も立たない論でいえば、
やはりなにがしかの痕跡的事実はあったと思いたいところ。
有珠善光寺自体は、その後、江戸期になって存在が
歴史的にも明らかになっていくのですが、
この平安期にまでさかのぼることが出来るとすれば、
北海道には数少ない由緒深い寺院と言うことになります。
さてどうなんでしょうか?
そんな風に思ってみていたら、
お寺の内部で、ごらんの写真のような棚上の飾りを発見。
右側の仏像は、どうも風合いが円空さんのナタ彫りのようであります。
円空さんは江戸時代の仏師さんなので、
これはたぶん、間違いなく本物ではないかと思われました。
円空さんの仏像はたぶん、一種のブームになっていて、
各地の寺院がかれを招いて、制作させたに相違なく、
日本全国にたくさんの円空仏があり、北海道に来たという記録もある。
そんななかの一体が、これなんだろうと思いました。
ちょっとうれしい新発見でした。
さてきのうは、銀行さんのゴルフ会に参加。
なんと、大して練習もしていないのに、1位入賞。
まぁ、その上には準優勝・優勝がいらっしゃるので、実質は3位ですが、
思いもかけない幸運でした。
賞品を息子の目に付く場所に、「なにげに」置いておきました。
案の定、ほっそりした円空仏の目とは反対のびっくり目で
父への尊敬のまなざしが感じられました。えへん、であります(笑)。
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