きのうは午後から、北海道の地域工務店の集まり「アース21」の
設立20周年の祝賀会と総会に出席しておりました。
年に五~六回、情報交換をメインにした例会を継続してきている団体ですが、
北海道の「地域工務店」というものの活動の姿を
もっとも端的に表現した集まりだと思っています。
それは、「地域工務店」という存在が現代でどのような存在感を持って
存続していくのか、ということに正面から向き合っていると思うからです。
きのうの会では、このアース21にも先駆けた動きとしての
「十勝2×4協会」についての発表もありましたが、
そこでの発言に、大きな示唆があったのだと思います。
十勝2×4協会は、日本に2×4が導入されたごく初期から活動を開始した集まりで
大手ハウスメーカーやパワービルダーによる市場席巻の流れに抗して、
地域工務店が、どのように生き残り、戦っていくのかを
「地域全体」のなかで位置づけて、協同の力で
戦略を練り、地道に取り組んできたことを坦々と語られていました。
ほぼ30年以上になるその道程は、
いままさに、東北の被災地域の現状のなかで
「地域連携」ということが声高に言われている現実に、
もっとも良き先例といえるでしょう。
高台移転の用地整備にメドがつき、もうすぐ整備が終わって
具体的に、そして集中豪雨的に多くの住宅を建設しなければならないとき、
地域の生産者がなすべきことの実質をすべて表していると思うのです。
本来、地域連携、ということは掛け声さえ掛ければそれで済むというものではない。
いまの国が主導する地域型住宅の政策の流れは、
この動きを主体的に担う、いわば主体論が欠落したままに
その結果としての、そうだったらいいなという
形だけを無理矢理に作り出そうとしている。
もしそうでなければ、集中的な住宅生産には到底間に合わない、
という焦りが政策提起側にあるのではないか。
そしてもっと問題なのは、こうした主体論について
いまに至っても、国側は気付いていないだろうと言うことです。
国としては、地域型住宅という器は作った、というようなアリバイはあり、
現実にそれが機能するかどうか、までは責任は問われないだろうというヨミなのか。
たぶん、現状のようなままに高台移転の用地整備が終わったら、
そこで開始される家づくりは
推定的に言えば、ローコストパワービルダーの跋扈に繋がるのではないか。
それに対しての、地域工務店側の戦いの、
「情報武装・戦略構築」は、決定的に足りない。
きのうの会合を聞いていて、
実は、東北住宅復興の現状と重ね合わせて見続けていました。