三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

木格子のデザイン、道の駅「上品の郷」

2013年05月26日 05時36分58秒 | Weblog

石巻を超えて「河北」インター出口を出ると
すぐに沿道に見えてくる道の駅がありまして、
そのデザインがなかなかいいなぁと思っておりました。
今回の石巻市北上町行きでは、こちらの道の駅を行きと帰りに利用しました。
いいなぁと改めて思った次第。
で、設計者を調べたら、現在のJIA東北支部長である、関・空間設計の
渡辺 宏さんであることがわかって、
そうなんだと、不勉強を思い知らされた次第であります。



格子は、日本の木造デザインの基本中の基本のように思うのですが、
案外公共的な空間では活かされているケースが少ないように思います。
しかし、木の格子は京都町家建築をいうまでもなく、
ほとんど日本人のDNAに深く刻み込まれているような
テクスチャーなのではないかと思う次第です。
格子は、内と外をやわらかく仕切るし、
その厚みに応じて、日射をコントロールもしてくれる。
第一、力強い木組みは構造的安定性がきわめて高まる。
伝統的建築に、たいへん多用されていると思うのですが、
案外、現代建築ではうまく利用されているとは思われない。
そんな風に思っていたら、
先日紹介した300mm断熱の山本亜耕さん設計の住宅では
高断熱住宅の日射遮蔽技術として目をつけて活用していたので、
むむむ、と思わされた次第であります。
やっぱり日本の住宅は、都市に建てられている限りにおいては
「町家」であり、そういったデザインコンセプトを継承していった方が
非伝統的な、無国籍インターナショナル郊外型住宅よりも
少なくとも、日本の都市環境には親和性は高いのではないか。
このような公共的空間においても、
なんとなく不思議な場としてのメッセージ性を感じさせてくれる。
あんまり説明的ではなく、直接的に語りかけてくるモノがあると感じる次第です。
みなさん、いかがでしょうか?

コメント
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