三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

知床 「クマと人間」との共存思想

2015年09月22日 08時18分08秒 | 日本社会文化研究


前日の野付半島に引き続いて、知床に行ってきました。
北海道にいると、札幌からは遠いこともあって、あんまり訪れない。
2~3度、来たことがあるくらいであります。
最近はどこのビジターセンターも情報が充実していて、
とくに動画情報はわかりやすく、楽しませていただいています。
きのうの知床でも、羅臼からウトロに半島を縦走する国道沿いにある
知床ビジターセンターの動画は、たいへん美しくよかった。
間欠泉は、残念ながら「たったいま、終わったわ(笑)」ということでした。
あちこちのスポットはたいへんな賑わいで、
ここは首都圏のどこかの観光地かと思わされるほど。
やはりシルバーウィークの威力は凄まじいですね。

っていうような楽しい行楽だったのですが、
そのついでに立ち寄った「熊ノ湯」。
無料で露天風呂に入れるという温泉なので、
つい、入って見ることにしました。こういうのには、どうしても弱い。
まぁ常識で考えて、どうして無料なのかと推し量るべきだった・・・。
でも無料で、衛生管理とか誰がやっているのだろうと、
そういった意味でも不安感はあったのですが、
道南の椴法華・水無海浜温泉や、青森と秋田の中間の海岸に湧く温泉にも
入ったこともあります。まぁ、物珍しでの入浴ですね。
椴法華ではみんなのマナーで維持されている。そういう経験もあって、
惹かれるままに、裸になって、体を洗ってから入ろうとしたら、
「おい、頭からかけ湯して入れ! 熱いんだぞ」と
アタマからケンカ腰の声を掛けてくるひとがいました。
「???」とは思ったのですが、言い方にはトゲがあるにせよ
言っている中身自体はこっちへの配慮のようでもあるので
「・・・ありがとうございます。では・・・」ということで
頭からかけ湯して、その熱さを体験してから入浴しました。
たしかに耐えるのがやや辛いような熱さではあって、
そんなに長時間、入っていたくなる湯でもない。
なんですが、わたしも修行の足りない身なので、
「口論したりすれば、他のひとに迷惑かけるから」と
ガマンして聞いていた部分が、湯の中で、腹の中から立ち上ってくる。
それもあり熱すぎるのもあって、早々に湯を出ましたが、
その背中で、ひそかな笑いが聞こえる。
まさかと思いましたが、わたしのカラダが火照っている様を・・・
え、身も知らない人間のことを? という驚きですが、
まぁ、他の方の気分を害しても仕方ないとあきらめ、
しかし一刻も早く立ち去りたいと、イヤな気分で、風呂を出た次第。

どうも、あとでインターネットで調べたら、
そういうオヤジさんたちがいるのだそうです。
まぁ、この湯を維持し続けている地元のみなさんの中のひとりでしょうか。
無料でも、土地と泉源自体はだれかの所有かも知れず、
また、維持管理する手間は誰かがやっているのは
理解出来るし、その気持ちも推量はききます。
しかし、いきなり上から目線の態度というのも、常識理解を超える。
こういう事を知った上で、この無料の風呂に
もう一回、入りに行くかどうか、その辺はきわめて微妙(笑)。
でも考えてみたら、そのオヤジさん、
ずっとシャンプーやボディシャンプーを使い続けていた。
露天風呂で、そういう雑排水はどういうふうに処理しているのか、
やはり管理は、きちんと決めたほうがいいのかもしれませんね。
土地と温泉の権利を持っていて、
しかし、有料にすると各種法令を守らなければならず、
そこまでする気もないから、くやしいけど無料開放にしている。
その鬱屈を、無料で入ってくるひとに八つ当たりでもしているのか?
どうもいろいろな想像を巡らせてしまった次第であります。
まぁたわいのないことではありますが、
こういう部分は、知床の来訪者に強烈な印象を与えてもしまうでしょうね。
北海道の人間として、やや残念な気分になった次第であります。

知床なので、クマと共存するというような態度は不可欠。
そういった理不尽さをひとに教えるような存在なのか、
それはそれで、ある種、必要があるものかも知れないと思い至りました。

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