リコの文芸サロン

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忠臣蔵新説:『いとまの雪』 伊集院静著

2020-12-22 | 日々彩彩
伊集院 静氏の『いとまの雪』上・下巻は凄い本です。
忠臣蔵を「義」を根底に武士道の「剛」の側面を描き切りました。
史実を元に創作された物語ですが、深く構成されていて感心しました。



リコが印象に残った箇所を書きます。
〇江戸城での刃傷沙汰は浅野内匠頭で4回目でした。3回目の時(1684年)に内蔵助は26歳で江戸に遊学に来ていて其の事件を垣間見た。

〇江戸幕府の小藩、世継ぎの無い藩、裕福な藩を取り潰し天領に取り込む政策に大石は気付いた。

〇内匠頭の血縁で刃傷沙汰を起し改易された人物が居り、内蔵助は内匠頭の精神面を案じ御典医に調べさせた。

〇内蔵助は34歳で剣の修行を再開し家臣にも3対1の戦い方(戦さ組)を作った。

〇「君、辱めしめられし時は、臣死す」内蔵助の真意です。

〇内蔵助の周りの人々も全てを書き切った本です。
内蔵助の周りの女性も足軽もそれぞれの立場を理解し生き抜いた。

★12月17日にNHKで歴史秘話ヒストリアで忠臣蔵を取り上げていました。
ロバート・キャンベルさんの言葉が印象的でした。
「自分よりも大きく大切なものを守る、」「義をどうやってきちんと取り返すのか、この事件に寄って日本人の根っこが出来た」と思う。


はだれ雪』は「情」を根底に書かれた柔の物語。

リコの印象に残った箇所は、
〇お預け先の勘解由を江戸へ行く途中に大石が訪ねました。内蔵助は内匠頭の最後の言葉を聞く必要は無いと聞かなかった。
主人公の永井勘解由は浅野内匠頭の最後の言葉を聞いた幕臣です。
(なぜ、刃傷沙汰を起こしたのかを内匠頭が勘解由に話したと皆は思っている)
最後の言葉を誰にも言わなかったので綱吉将軍の勘気をこうむり、勘解由は扇野藩にお預けに成りました。
時の政権の実力者は切れ者との評判が高い大老格の柳沢吉保でした。

大石は「主君の最後の言葉を聞く必要はない、殿が決意され成されたことに理由を聞く必要はない」と帰りました。

〇浅野内匠頭の最後のことばは正室の阿久利の安否を尋ねるものであった。

〇リコが思うに後事を託せる人物か大石は勘解由に会いに行ったのだと思いました。
勘解由を暗殺しょうとした扇野藩から江戸への逃亡を吉良家の者が助けました。
幕閣に帰り咲いた勘解由は浅野家と吉良家の残された人々の面倒をみます。



リコの文芸サロンで大石殿が1年余りを過ごした京都市の山科の岩屋寺を3回にわたりアップ!しましたのでそちらもご覧下さい。
青い字の所をタップするとその記事に飛びます。





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