ブログ開設3周年企画
⑩シナン、夢枕 獏著
リコのトルコ旅行のブログは2月8日に「追憶:トルコ旅行⑦」で止まり、イスタンブールを残こして中断してます。近いうちに再開します。
シナンが建てたトルコのスレイマニエ・モスク
★★2019年12月15日★★
チャンネル銀河でオスマン帝国外伝のシリーズ1~3(12月16日終了)を見ていたので以前読んだ『シナン』が読みたくなって再読しました。シナンは16世紀頃の人で100年の生涯で477もの建築を手がけた偉大なトルコの建築家です。
リコは10年前にトルコに行き多くのモスクを見ましたが、シナンの事は知りませんでしたから帰国してからこの本を読みました。
今、再読すると懐かしいような、親しみの湧く気がしました。
この本の中に詩人のザーティーの素晴らしい詩がありましたので紹介します。
・・孤独は人を賢くする・・
p98
独りはよい
何故なら独りの時に
多くのものは
その人のもとにやってくるからだ
哀しみも
それに耐える分別も
哀しみは人生の伴侶であると
その分別がおまえに
教えてくれるだろう
そして
老いもまた
その人が独りの時に
やってくるが
神もまた
その人が独りの時に
その人を訪れる
孤独は深い泉である
汲んでも汲んでも
それは神の英知のごとく
尽きることがない
・・人は旅人である・・
p284
いつまでも
あると思うな黒い髪
あると思うな心の炎
旅人の髪は
旅の途中で白くなる
旅人の心に燃える炎も
旅の途中で消え果るつ
恋さえも
ああ
そして憎しみさえも
旅の途中で枯れていく
それを哀しむ心さえも
野の風のように
どこかへ行ってしまう
ああ
それでもなお
それでもなお
人は旅人である
人は旅に向かって足を踏み出す
ああ
御神よ
御神よ
旅は今もなお
老いてなお
青葉萌え
青葉風にきらめき
まだわたしを
野の果てに誘うのである