ロビンソン本を読む

本とデザイン。読んだ本、読んでいない本、素敵なデザインの本。

子供時代

2019-01-28 18:58:27 | 読書
リュドミラ・ウリツカヤ『子供時代』




 この小さい本はなんだろう。

 新潮クレスト・ブックスの棚で、ひときわ目を引く小ささ。

 大人に混じった子どものような、それでいて間違いなくクレスト・ブックスだ。

 書店で最初に見かけた瞬間、販促用のフリーペーパーかと思った。


 リュドミラ・ウリツカヤの『子供時代』。

 表紙の絵は、やや不気味なのに、見慣れてくるとどことなく可笑しい。

 とても細かく、目を凝らして奥の方まで見たくなる。

 パラパラめくると、中にも何枚か絵が入っている。

 わくわくしながら読み進めると。

 文章と絵がリンクしていない。

 でもなんとなく合っているような。

 リュドミラ・ウリツカヤの文章と、ウラジミール・リュバロフの絵は、それぞれが自身の子供時代を描いたもの。

 それが奇跡的に似たような雰囲気を持っているのだ。

 著者と同じ体験をしていないのに、読んでいると、不思議に自分が子どもだった頃を思い出す。

 何度も何度も手に取って、眺め、読んでいたくなる。(2015)


 通常の本と並べてみる。
 少し低い。