つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

津幡町、夏来る。

2010年07月16日 23時53分42秒 | 日記
午後、夏らしい碧空を見て、本日思わず2度目の投稿。
…というのも、夏の旅の記憶が蘇ってきたからだ。
あれは、高校1年の夏。
友人2人と一緒に、能登半島へ自転車旅行に出かけた。
ちょうど、今日の一枚のように、空には白くて大きな雲が浮かぶ日だった。

目指すは、羽咋の柴垣海岸。
朝5時頃に津幡町・庄町を出発して、まずは宇ノ気の白尾海岸まで。
砂丘越しに海原が見えてきたら、潮の香りを嗅ぎつつ
海岸沿いを「能登海浜自転車道」を一路北へと向かった。

この道は、主に能登有料道路沿いを走るアスファルトの舗装道路。
歩行者、自転車専用のため、車や信号に邪魔されず、快適な道のりだ。

スタート直後は、よくしゃべった。
滅多にない早朝からの行動。
旅の興奮。
夏という季節が持つ独特の開放感。
そんな要素が僕たちを饒舌にさせた。

だが、疲労が段々と口数を奪っていく。
自分自身の荒い息遣いが耳につく頃、
道に映った孤影を見つめ、自己の内面に向き合い始める。
ひとしきり思案を尽くした頃、
ようやく柴垣海岸に辿り着く。

入道雲が浮かぶ碧空の下。
辺りに響くのは、岩に打ち寄せては返す波の音。
僕は大きく息を吐き、汗をぬぐった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

津幡町、夏へ。

2010年07月16日 12時09分02秒 | 日記
先週末から降り続いてきた雨が止んだ。
東アジアの天気図や衛星画像を見ると、太平洋高気圧の勢力が強まっている。
何より、雲の切れ間から覗く空が碧く、高い。
そろそろ夏がやって来そうだ。
こんな空を見ると、旅に出たくなるのが常である。
かつて、僕にとって、夏は旅の季節だった。

人生で最初に「一人旅」と言える旅をしたのは、多分、中学3年生の夏。
津幡町・庄町の生家から、河合谷にある母親の実家へ自転車で向った時の事だ。
片道は10キロ少々。 
車で移動すれば20分余りだが、アップダウンのある山道が多く、
自転車だと軽く3倍はかかる。
庄町⇒舟橋⇒能瀬⇒中山と北上するうち、
少しずつ高低差が大きくなり、カーブの数も増えていく。
道に並行して流れる川の幅は狭く、底までは浅く、水量は少なく、岩肌が露わ。
緩やかな下流とはすっかり姿を変えている。
辺りの緑は次第に濃くなり、距離が近くなっていく。
「山の世界」へ分け入っていく実感があった。

一番の難所は「興津(きょうず)峠」の九十九折り。
歯をくいしばってペダルをこぎ進む。
ようやく上り坂を克服して自転車を止めると、
道の両側は杉や欅の大木が生い茂った薄暗い峠道。
聞こえるのは梢を渡る風の音と、自分の荒い息使いに、鳥の鳴き声。

顔を上げると、木々の葉の間から「碧い空」が見えた。
その時、僕は微笑みを浮かべていたはずだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする