つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

津幡町にて、鼓の花を愛でる。

2011年05月17日 06時46分11秒 | 草花
タンポポに「西洋種」と「在来種」がある事は、よく知られている。
どちらも鮮やかな黄色い花を開き、
どこにもよく育つ野草故に、見かける機会が多い。
「今日の一枚」は、津幡町の路地に沿って配置された溝に咲くタンポポ。
ことほど左様に、逞しい。

ところで、何故「タンポポ」と呼ばれるのか?
ご存知だろうか?
僕自身は深く疑問を抱くことすらなく過ごしてきたが、
先日、ラジオを聴いていて謎が解けた。
スピーカー越しの学者先生曰く、
『民俗学者の「柳田国男」によると、
 鼓を打つ音の、タン、ポン、ポンから付いた』のだそうだ。

タンポポは、つぼみの形が楽器の「鼓」に似て見えたため、
古来「鼓草」と呼ばれた。
鼓の音を昔の人はタン、ポン、と理解していた事から、
子供達がその音を充てて言い始めたらしい。
…なるほど。
昔々平安の昔、粗末な着物姿の童が、
黄色い花の蕾を手にして遊ぶ様子を想像してしまった。

ちなみに、英語で「Dandelion」とされるのは、
ギザギザの葉っぱが「ライオンの葉」に似ているかららしい。
…なるほど、確かにギザギザしている。
勉強になった。

最近、散歩中は花だけでなく、白い綿毛も見かける。
風に乗って種を運ぶ様子は、何万年も繰り返されてきた
自然の営みだ。
そして、人はそれを見て歌を詠んだ。

『夕焼けに小さくなる くせのある歩き方
 ずっと手をふり 続けていたいひと
 風に乗り飛んで来た はかない種のような
 愛はやがて来る 冬を越えてゆく
 きみはダンデライオン
 傷ついた日々は 彼に出逢うための
 そうよ 運命が用意してくれた大切なレッスン
 今 素敵なレディになる

 つみとってささげたら ひとに笑われそうな
 私にできる全てをうけとって
 ふるさとの両親が よこす手紙のような
 ぎこちないぬくもりほど泣きたくなる
 きみはダンデライオン
 本当の孤独を 今まで知らないの
 とても幸せな淋しさを抱いて
 これから歩けない
 私はもう あなたなしで

 とても幸せな 淋しさを抱いて
 これから歩けない
 私はもう あなたなしで』

(原典:「ダンデライオン~遅咲きのタンポポ」/作詞作曲:松任谷由実)

…可憐な花の花言葉は、
「真心の愛」「神のお告げ」そして「別離」。
乙女心なのである。
コメント
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