日銀は長期金利の上昇を抑えるため14日、指定した利回りで国債を無制限に買い入れる措置を実施すると発表しました。これを受けて、14日の債券市場では、長期金利が低下しています。
日銀は14日午前、指定する0.25%の利回りで国債を無制限に買い入れる「指値オペ」と呼ばれる措置を実施すると発表しました。
日銀がこの措置に踏み切るのは、2018年7月以来、およそ3年7か月ぶりです。
日銀は、金融緩和の一環として満期までの期間が10年の国債の利回りを「プラスマイナス0.25%程度」の変動幅で推移するよう調節するとしていますが、連休前の今月10日に長期金利が一時、およそ6年1か月ぶりの0.23%まで上昇し、変動幅の上限に近づいていました。
日銀としては、今回の措置によって長期金利の上昇を抑え、いまの金融緩和を続ける姿勢を強調するねらいがあります。
14日の債券市場は、この日銀の動きに加えて、ウクライナ情勢の緊迫化も受けて比較的安全とされる日本国債を買う動きが出て、長期金利は一時、0.20%まで低下しました。
市場の利回りが日銀が示す0.25%より低く、価格が高い状況で推移しているため、実際には日銀の買い入れに応じる動きはありませんでした。
松野官房長官「物価安定目標の達成へ努力を」
松野官房長官は午前の記者会見で「相場の動向についてコメントすることは差し控えたい。日銀の金融政策の具体的な手法は日銀に委ねられるべきと考えている。日銀には物価安定目標の達成に向けて、引き続き、努力されることを期待する」と述べました。