ウクライナ侵略を断固糾弾する ロシアは軍事作戦を直ちに中止せよ
志位委員長が緊急声明
日本共産党の志位和夫委員長は24日、国会内で記者会見し、「ウクライナ侵略を断固糾弾する ロシアは軍事作戦を直ちに中止せよ」と題する声明を緊急に発表しました。声明はロシア、ウクライナをはじめ各国大使館に送りました。声明の全文は次のとおりです。
一、ロシアは24日、一方的に「独立」承認したウクライナの東部地域にロシア軍を侵入させるとともに、ウクライナ各地の軍事施設、キエフ、オデッサなどへの攻撃を始めた。これはウクライナの主権と領土を侵し、国連憲章、国際法を踏みにじる、まぎれもない侵略行為であり、断固糾弾する。ただちに軍事行動をやめ、撤退させることを強く求める。国際社会が、ロシアのウクライナ侵略反対の一点で団結し、侵略をやめさせることを呼びかける。
一、プーチン大統領は同日の演説で、今回の軍事行動はウクライナ東部地域の「要請」を受けたもので、国連憲章51条の「集団的自衛」だとしている。しかし、一方的に「独立」を認めた地域・集団との「集団的自衛」などありえず、国際法上まったく根拠がない暴論である。
大統領はまた、ウクライナの「脱軍事化、脱ナチス化」を進めるとのべ、東部にとどまらず、ウクライナ全土でロシア軍を展開させる構えを見せている。ロシア国防省はウクライナの各地の軍事施設への攻撃も明らかにした。ウクライナを独立国・主権国家として認めない態度であり、厳しく非難する。
一、プーチン大統領は、この侵略行為にあたって、ロシアが核兵器大国であることを誇示し、欧米の批判や制裁の動きに対抗する姿勢を見せている。核兵器で世界の諸国を威嚇するものであり、今日の世界において、決して許されるものではなく、怒りを込めて糾弾する。
どんな国の覇権主義も許さないのが現綱領の立場
志位委員長が強調
日本共産党の志位和夫委員長は24日、国会内での記者会見で、ロシアによるウクライナ侵略を糾弾し軍事作戦の中止を求めた声明に関連して、「ロシアの侵略は綱領の世界観を変えるようなものではないか」との質問に対して、「2020年の党大会で、どんな国であれ覇権主義は許さないという一点で、国連憲章に基づく平和秩序をつくるために連帯をしようという綱領への一部改定を行った」と強調しました。
志位氏は「核による威嚇ほど無法な国際法違反はない。“いざとなったら広島、長崎のような非人道的惨禍を引き起こす”という威嚇であり、およそ文明国には許されない態度だ」と厳しく批判しました。
その上で、第28回党大会(2020年1月)での党綱領改定で、「アメリカの一国覇権主義」に反対するという改定前の綱領の規定に代え、「どんな国であれ覇権主義的な干渉、戦争、抑圧、支配を許さず、平和の国際秩序を築く」という規定を打ち出したことに言及。改定時の報告でも、「いくつかの大国」には中国やロシアも含むことを明らかにしたことを強調しました。
志位氏は「いまの綱領でまさにこの問題にも根本的な対応ができると考えている」と表明しました。
★国内のガソリンを安くするために与党の予算案に賛成すると正当化したことを大政翼賛化した野党の政権へのすり寄りだとほかの野党が言うのは結構だが、日本の国会議員や政党、議会の仕事はガソリン高騰の元凶であるウクライナ危機をどう収めるかの知恵を出すべきではなかろうか。既に株価も下落を始めている。経済の浮揚の優先順位は戦争回避だ。野党がわざわざガソリン値下げのために予算案に賛成しなくても与党多数で来年度予算は難なく通過する。そんな詭弁(きべん)を弄(ろう)するより、戦争回避の知恵と努力をすべきだ。
★この半月、米バイデン大統領をはじめ米政府の閣僚級高官は「戦争になるぞ」と国際社会に警鐘を鳴らしながら、ロシアをけん制してきたが、ついにこの時がやってきた。ロシアの軍事作戦が始まった。ロシアは武力を使ってウクライナを非武装地帯化しようと動き出した。ドイツでは仏ルドリアン外相が独ベーアボック外相と会談、ロシア・プーチン大統領についてルドリアンが「公式であれ非公式であれ、相手がマクロン大統領でもショルツ首相でも、約束を守らない。どうすればプーチンの言葉を信じられるのか」と言い、ベーアボックも「1週間前の発言と逆のことをする。本当のことを言っていなかった、少し分かりやすく言うと、うそを言っていた」と愚痴とも非難ともいえる発言を繰り返した。それでも彼らは戦争回避の努力をした。
★さあここからはウクライナ・ゼレンスキー大統領がルガンスク人民共和国、ドネツク人民共和国両代表とロシア、ドイツ、フランスが集う会議を実現させることにあるだろう。世界中の政治家はその実現にあらゆる力を発揮して即時停戦を勝ち取るべきだ。(K)※敬称略