上砂理佳のうぐいす日記

やっと秋らしくなりましたが、まだまだ日中は陽ざしがきついです。寒暖差で風邪をひかないように★

仮面の街の光と陰★

2021-02-01 | うぐいすよもやま日記


私の版画で「ヴェネツィアの猫」という作品があるのですが、ヴェネツィアで2月に開かれる仮面カーニバルに触発されて作りました。
あの豪華絢爛の仮面や衣装、誰でも仮装して祭りに参加出来るそうですが、すごい盛り上がり。みんな「真剣に楽しんで」ますね。
昨年はちょうどコロナがヨーロッパに蔓延しだす頃で、途中で中止になったような記憶が。
岸和田のだんじりみたいなもんで、人々の思い入れもすごいから、今年はどうなるのでしょう。

あのヴェネツィアの仮面で、カラスみたいな大きなくちばしを模した不気味な仮面があるのですが、「医者の仮面」だそうで。
「世界ふれあい街歩き」で、仮面を作る職人さんが「ペストが大流行した時に、医師が防護マスクとしてこれを被った」と説明してはりました。
その話を聞いてから、このコロナ禍だと、もう見方が変わってしまった。
まさかペストのあとにコロナが来るなんて、誰も思わなかったでしょう。
なんて恐ろしい仮面なんだ。

ペストの時にヴェネツィアじゅうに消毒液が撒かれ、真っ白になっていた光景が、映画「ヴェニスに死す」で出てきます。
とても不穏でおどろおどろしく、映画の主人公も最後はペストを患い死んでしまいます。

華やかな祭り、輝けるヴェネツィア。でも暗い陰も存在してる。
観光客が皆無になった運河は、濁った色だったのにすっかり水が澄んで、底が透けて見える、なんてニュースもありました。
光と陰の街の、あの仮面職人や仮装衣装職人たちは、どうしているのかと案じてます★
コメント
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