前日、思いつきでスピード練習をしてしまったので、この日は気候も良いようだし、のんびりマラニックがしたいと思った。
例によって、その日の思いつきでは、早朝から出かけるなどということは難しく、つまりは遠出--たとえばびわ湖まで足を延ばしてみようとか--もできそうにない。用事もあり夕方遅くならないうちには戻りたい。
さりとて、目標もなしに近所を回っても楽しくない。目標があってこそやる気も出るというものだ。
車でどこかまででかけてそこから走ることも考えたが、時間がもったいない。家から走って行けそうなコースは思いつく限りどれもあまりワクワクしない。さて困った。
思いついたのが金生山の坂登りだった。
何年か前、金生山の山上にある明星輪寺で行われる「はつこくぞう」という行事に出かけたことがある。金生山(きんしょうざん)は石灰岩の有名な産地であり、化石が出ることでも有名だが、明星輪寺のことは知らなかった。
「はつこくぞう」ではまっ暗闇の中を歩いたのだが、その急なことに四苦八苦した。その頃はまだ走っていなかったけれど、走るようになってときどきあの坂が思い浮かんだ。
長くて急な坂。あそこで練習したらきっといい練習になるなあ、と。
そうだ、あの坂を登ろう!
というわけで、明星輪寺--地元では親しみを込めて「こくぞうさん」と呼ばれている(らしい)--を目指して走ることにした。
■ 基本方針は「なるべく止まらない」
いつも割とそうだけど、走る時はできるだけ止まりたくないと思っている。それからもうひとつ、車があまり走っていない道をできるだけ選ぶ。排気ガスが臭いし、何より危険だから。
自分の脚で走れば走るほど、日本の道路というものがいかに歩いたり走ったりすることを想定していないか痛感する。たとえばフライブルクやツェルマットのような環境都市が日本にも--というか日本にこそあってもいいと思う。、歩く(走る)ことをメインに考えられた都市計画というものがもっと行われてしかるべきだとも思う。そんな街ができたらぜひ移り住みたいくらいだ。
だから、向かいの信号が赤なら、渡らずに道沿いに走る。道はなるべく細くて車が通らないような道をあえて選ぶ。そういう方針でいつも走っている。行き止まりに引き返すこともあるが、思いがけず楽しい道に出会うこともある。
たとえば、こんな感じ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/75/563f792c86d1ca3164c1127a033ab3f6.jpg)
※路地に入ったら行き止まりだったが、隅っこにこんな梯子がかけてあって向こうの空き地に渡れた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/48/3296aeff6fbbca9e93569d2ca4412507.jpg)
※線路(JR東海道線)の下をくぐるのもなんだか少し楽しい
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/ff/da5db68da0be28187bcfb6540920df46.jpg)
※歩道がないのかと側道を行ったら、ありました。脇から国道へ上がる側道が。
大垣は水都(すいと)とも呼ばれる。大垣を中心とする西濃地域は川や水路が血管のようにあちこちにはり巡っていてかならずしも行きたい方向に行くことができない。したがって、川沿いに移動せざるを得ないシーンも多くてずいぶんと遠回りすることになったり、城下町の路地と同じで、しばしばどこにいるのかわからなくなることもある。
そんあわけで土手や堤防沿いを走るケースは多い。今回も大半川沿いを走っていた気がする。ご存じの通り、土手といえばたいてい桜並木になっている(そうじゃない場合もあるだろうけど)。もう何日かで花が咲き始めるから、ロゲイニングで回った墨俣もそうだったが、どこも「桜祭り」の準備が始まっている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/42/34f3881bd92ca9f72bb042ffa556ace0.jpg)
※ボンボリが準備されていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/6f/f8752091fa49a901c29929cde103b5e9.jpg)
※電車が北大垣駅に入ってきた。駅からすぐ入り口。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/53/a06441b78c5fcada583a304ba8044e9b.jpg)
※堤防を下りて側道を行くのもオツ。
この笠縫堤は実はだいぶ前から気になっていた道でもあった。はじめて足を踏み入れちょっとうれしい。
■ 坂への入り口は赤坂宿
「はつこくぞう」の時は車で出向いたし、灯りのまったくない正真正銘の闇の中を寺まで向かった。登り口がどこだったのかも今やよくわからない。
昨年赤坂宿~昼飯の古墳を巡りマラニックで、明星輪寺への入り口の表示があったのを覚えていた。
笠懸堤から国道21号の下をくぐって反対側の階段を上ると河間堤と名前が変わるが小高い土手の上を走ることができた。犬の散歩中のマダムにごあいさつする。
大きな道に出る前に堤防を下りて田んぼの中を走り、赤坂宿の中山道を走る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/ae/c3943c44a2457e5769075b977c000bdd.jpg)
※ランドマークとなっている火の見櫓が見えてきた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/49/503f0b3c53c21ae1e9b92eb5fe0e36de.jpg)
※広重の描いた「赤坂」
火の見櫓から500mほども行くと右手に「化石館」そして「こくぞうぼさつ」と→の書かれた看板がある。そこは名阪バスの停留所「虚空藏口」でもあった。JR大垣駅からバスが出ている(本数は少ないので時間は事前に調べておく必要がある)。
ここまでおよそ50分。距離にして7.6㎞ほどを移動してきた。
いよいよここからが今日のメインイベントだ。
その2へ続く>
例によって、その日の思いつきでは、早朝から出かけるなどということは難しく、つまりは遠出--たとえばびわ湖まで足を延ばしてみようとか--もできそうにない。用事もあり夕方遅くならないうちには戻りたい。
さりとて、目標もなしに近所を回っても楽しくない。目標があってこそやる気も出るというものだ。
車でどこかまででかけてそこから走ることも考えたが、時間がもったいない。家から走って行けそうなコースは思いつく限りどれもあまりワクワクしない。さて困った。
思いついたのが金生山の坂登りだった。
何年か前、金生山の山上にある明星輪寺で行われる「はつこくぞう」という行事に出かけたことがある。金生山(きんしょうざん)は石灰岩の有名な産地であり、化石が出ることでも有名だが、明星輪寺のことは知らなかった。
「はつこくぞう」ではまっ暗闇の中を歩いたのだが、その急なことに四苦八苦した。その頃はまだ走っていなかったけれど、走るようになってときどきあの坂が思い浮かんだ。
長くて急な坂。あそこで練習したらきっといい練習になるなあ、と。
そうだ、あの坂を登ろう!
というわけで、明星輪寺--地元では親しみを込めて「こくぞうさん」と呼ばれている(らしい)--を目指して走ることにした。
■ 基本方針は「なるべく止まらない」
いつも割とそうだけど、走る時はできるだけ止まりたくないと思っている。それからもうひとつ、車があまり走っていない道をできるだけ選ぶ。排気ガスが臭いし、何より危険だから。
自分の脚で走れば走るほど、日本の道路というものがいかに歩いたり走ったりすることを想定していないか痛感する。たとえばフライブルクやツェルマットのような環境都市が日本にも--というか日本にこそあってもいいと思う。、歩く(走る)ことをメインに考えられた都市計画というものがもっと行われてしかるべきだとも思う。そんな街ができたらぜひ移り住みたいくらいだ。
だから、向かいの信号が赤なら、渡らずに道沿いに走る。道はなるべく細くて車が通らないような道をあえて選ぶ。そういう方針でいつも走っている。行き止まりに引き返すこともあるが、思いがけず楽しい道に出会うこともある。
たとえば、こんな感じ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/75/563f792c86d1ca3164c1127a033ab3f6.jpg)
※路地に入ったら行き止まりだったが、隅っこにこんな梯子がかけてあって向こうの空き地に渡れた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/48/3296aeff6fbbca9e93569d2ca4412507.jpg)
※線路(JR東海道線)の下をくぐるのもなんだか少し楽しい
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/ff/da5db68da0be28187bcfb6540920df46.jpg)
※歩道がないのかと側道を行ったら、ありました。脇から国道へ上がる側道が。
大垣は水都(すいと)とも呼ばれる。大垣を中心とする西濃地域は川や水路が血管のようにあちこちにはり巡っていてかならずしも行きたい方向に行くことができない。したがって、川沿いに移動せざるを得ないシーンも多くてずいぶんと遠回りすることになったり、城下町の路地と同じで、しばしばどこにいるのかわからなくなることもある。
そんあわけで土手や堤防沿いを走るケースは多い。今回も大半川沿いを走っていた気がする。ご存じの通り、土手といえばたいてい桜並木になっている(そうじゃない場合もあるだろうけど)。もう何日かで花が咲き始めるから、ロゲイニングで回った墨俣もそうだったが、どこも「桜祭り」の準備が始まっている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/42/34f3881bd92ca9f72bb042ffa556ace0.jpg)
※ボンボリが準備されていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/6f/f8752091fa49a901c29929cde103b5e9.jpg)
※電車が北大垣駅に入ってきた。駅からすぐ入り口。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/53/a06441b78c5fcada583a304ba8044e9b.jpg)
※堤防を下りて側道を行くのもオツ。
この笠縫堤は実はだいぶ前から気になっていた道でもあった。はじめて足を踏み入れちょっとうれしい。
■ 坂への入り口は赤坂宿
「はつこくぞう」の時は車で出向いたし、灯りのまったくない正真正銘の闇の中を寺まで向かった。登り口がどこだったのかも今やよくわからない。
昨年赤坂宿~昼飯の古墳を巡りマラニックで、明星輪寺への入り口の表示があったのを覚えていた。
笠懸堤から国道21号の下をくぐって反対側の階段を上ると河間堤と名前が変わるが小高い土手の上を走ることができた。犬の散歩中のマダムにごあいさつする。
大きな道に出る前に堤防を下りて田んぼの中を走り、赤坂宿の中山道を走る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/ae/c3943c44a2457e5769075b977c000bdd.jpg)
※ランドマークとなっている火の見櫓が見えてきた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/49/503f0b3c53c21ae1e9b92eb5fe0e36de.jpg)
※広重の描いた「赤坂」
火の見櫓から500mほども行くと右手に「化石館」そして「こくぞうぼさつ」と→の書かれた看板がある。そこは名阪バスの停留所「虚空藏口」でもあった。JR大垣駅からバスが出ている(本数は少ないので時間は事前に調べておく必要がある)。
ここまでおよそ50分。距離にして7.6㎞ほどを移動してきた。
いよいよここからが今日のメインイベントだ。
その2へ続く>