ペースメーカーの意味がない
4分台の選手が4人もいるのに、2時間6分49秒というちょっと残念な優勝タイム。予想通り、初マラソン世界最高記録2時間4分16秒のキメット選手が優勝した。それでも大会記録を更新してコース新の賞金300万円もゲット。優勝賞金800万円と併せて1100万円。さらにBMWも?
初めて見るキメット選手はとても大きな走りで、上半身が力強くまさしくマラソン向け。陸上を始めたのが24歳のときで、それまで農業をやっていたとか。トラックの経験はなく記録もない。初マラソンは昨年のベルリンで2位、彼のマラソンはこの1回のみ。とんでもない才能と言わざるを得ない。
さて、当然世界記録に迫るいレースを楽しみにしていたのに、ペースメーカーが遅すぎる。日本人ではあの宇賀地もいて、30㎞くらいならきっちりメイクしてくれるのかと思ったが、「向かい風が強い」とかでまったくペースが上がららない。
完全な役不足だ! その証拠に30㎞すぎペースメーカーが外れた途端1㎞のラップが2'40~2'50に上がっている。あきらかにそこまでみんな我慢している感じで、キメット選手などは、どうみてもジョギングにしか見えないような走り方だった。
主催者はもう少しきっちり走れるペースメーカーを用意しなくてはならないだろう。コース取りなどもうまくなくて給水のたびに大きく集団がバラけたりちょっといただけなかった。
最後のレースになった尾崎好美も、ゴール後のインタビューで「風が強くて途中から感想狙いみたいになっちゃって」と言っていたし、バイクレポートの金哲彦さんも何度も向かい風が強いとレポートしていたので、事実そうなんだろうけど、やはりランナーのレベルが違いすぎたことは否めまい。
女子
ちなみに尾崎も2時間28分30秒の日本人トップと面目は保った。お疲れさまでした。
ビックリしたのは吉川美香さんだった。初マラソンで、これからマラソンに転向して頑張るのかと思ったら、結婚・退社で、ラストレースなんだとか。日本人2位の2時間30分20秒。引退する二人が1位・2位とは。さびしい結果だ。
序盤先頭を引っ張る走りを見せた野尻あずさ。こういう男女混合レースだと女子のレースが埋没してしまうのはやむをえない。ゆえに世界陸上選考対象にも選ばれておらず、だからあまり有力な選手がいない。
そんな中でも見せ場を作った果敢さはよいと思うけれど、いかんせん、最終結果があまりにもさみしい。
前田の走りは予想外。グッときた!
そんななか、唯一気を吐いたのが前田和浩だった。8分台のベストをもってはいるが、良くても日本人2、3番手の印象しかなかった。勝負弱い感じ。
藤原の離脱で日本人選手本命不在となったことが逆にいい結果を彼にもたらしたかもしれない。そう、日本人1位でそこそこのタイム(彼は7分台ではなく自己ベスト更新を狙っていたと答えていた)で走れば世界選手権代表になれる!
30㎞すぎのペースアップに1人だけついていき、最終盤で2人のケニア人をかわしての4位。スパートしたもののぎりぎり7分台を逃し8分ジャストのタイム。
世界選手権代表は確実だろう。ただ、あえて言うなら、ここから何段もレベルアップしないと世界では到底戦えない。奮起を期待したい。
その他の選手では、最も期待していた今井正人は今回も2時間10分を切れなかった。残念。まったく違うアプローチをしないと、今のポジションから抜け出せないことが明らかになった。
初マラソンの佐藤悠基は予想通りの結果。30㎞のスピードの切り替えに待った対応できなかったほか、佃橋あたりではほとんど市民ランナー並の走りになってしまった(それでも3'30台のラップだったけど)。
「マラソンで成功したい」という強い思いを抱き続けているということなので、ここからどうステップアップしてくるのか期待して待ちたい。
こういうメンバーで走っても日本人でサブ10さえ達成したのは前田と日本人2位(全体9位)の松宮隆行の二人のみ。松宮のタイムは2時間9分14秒。自己ベストだし立派だとは思うけど、5000mの現日本記録保持者で前30㎞世界記録保持者(松宮の記録を破ったのはあの皇帝ゲブレシラシエ)にしてこのタイム。期待からは程遠い。
マラソンは難しいということでもあるけど、この競技で世界と伍していくための決定的な何かが今の日本選手には不足しているのだと思う。
4分台の選手が4人もいるのに、2時間6分49秒というちょっと残念な優勝タイム。予想通り、初マラソン世界最高記録2時間4分16秒のキメット選手が優勝した。それでも大会記録を更新してコース新の賞金300万円もゲット。優勝賞金800万円と併せて1100万円。さらにBMWも?
初めて見るキメット選手はとても大きな走りで、上半身が力強くまさしくマラソン向け。陸上を始めたのが24歳のときで、それまで農業をやっていたとか。トラックの経験はなく記録もない。初マラソンは昨年のベルリンで2位、彼のマラソンはこの1回のみ。とんでもない才能と言わざるを得ない。
さて、当然世界記録に迫るいレースを楽しみにしていたのに、ペースメーカーが遅すぎる。日本人ではあの宇賀地もいて、30㎞くらいならきっちりメイクしてくれるのかと思ったが、「向かい風が強い」とかでまったくペースが上がららない。
完全な役不足だ! その証拠に30㎞すぎペースメーカーが外れた途端1㎞のラップが2'40~2'50に上がっている。あきらかにそこまでみんな我慢している感じで、キメット選手などは、どうみてもジョギングにしか見えないような走り方だった。
主催者はもう少しきっちり走れるペースメーカーを用意しなくてはならないだろう。コース取りなどもうまくなくて給水のたびに大きく集団がバラけたりちょっといただけなかった。
最後のレースになった尾崎好美も、ゴール後のインタビューで「風が強くて途中から感想狙いみたいになっちゃって」と言っていたし、バイクレポートの金哲彦さんも何度も向かい風が強いとレポートしていたので、事実そうなんだろうけど、やはりランナーのレベルが違いすぎたことは否めまい。
女子
ちなみに尾崎も2時間28分30秒の日本人トップと面目は保った。お疲れさまでした。
ビックリしたのは吉川美香さんだった。初マラソンで、これからマラソンに転向して頑張るのかと思ったら、結婚・退社で、ラストレースなんだとか。日本人2位の2時間30分20秒。引退する二人が1位・2位とは。さびしい結果だ。
序盤先頭を引っ張る走りを見せた野尻あずさ。こういう男女混合レースだと女子のレースが埋没してしまうのはやむをえない。ゆえに世界陸上選考対象にも選ばれておらず、だからあまり有力な選手がいない。
そんな中でも見せ場を作った果敢さはよいと思うけれど、いかんせん、最終結果があまりにもさみしい。
前田の走りは予想外。グッときた!
そんななか、唯一気を吐いたのが前田和浩だった。8分台のベストをもってはいるが、良くても日本人2、3番手の印象しかなかった。勝負弱い感じ。
藤原の離脱で日本人選手本命不在となったことが逆にいい結果を彼にもたらしたかもしれない。そう、日本人1位でそこそこのタイム(彼は7分台ではなく自己ベスト更新を狙っていたと答えていた)で走れば世界選手権代表になれる!
30㎞すぎのペースアップに1人だけついていき、最終盤で2人のケニア人をかわしての4位。スパートしたもののぎりぎり7分台を逃し8分ジャストのタイム。
世界選手権代表は確実だろう。ただ、あえて言うなら、ここから何段もレベルアップしないと世界では到底戦えない。奮起を期待したい。
その他の選手では、最も期待していた今井正人は今回も2時間10分を切れなかった。残念。まったく違うアプローチをしないと、今のポジションから抜け出せないことが明らかになった。
初マラソンの佐藤悠基は予想通りの結果。30㎞のスピードの切り替えに待った対応できなかったほか、佃橋あたりではほとんど市民ランナー並の走りになってしまった(それでも3'30台のラップだったけど)。
「マラソンで成功したい」という強い思いを抱き続けているということなので、ここからどうステップアップしてくるのか期待して待ちたい。
こういうメンバーで走っても日本人でサブ10さえ達成したのは前田と日本人2位(全体9位)の松宮隆行の二人のみ。松宮のタイムは2時間9分14秒。自己ベストだし立派だとは思うけど、5000mの現日本記録保持者で前30㎞世界記録保持者(松宮の記録を破ったのはあの皇帝ゲブレシラシエ)にしてこのタイム。期待からは程遠い。
マラソンは難しいということでもあるけど、この競技で世界と伍していくための決定的な何かが今の日本選手には不足しているのだと思う。