■ ふかふかの道、道なき道
赤坂宿から杭瀬川を渡って、車ならそのまままっすぐ行くところだが、思い立って川沿いに右折することにした。はじめて走る道は、それがどうということのないみちであっても多少はワクワク・ウキウキするものだ。
川沿いに900mほど走るとやや交通量のある県道と交差。道の下を潜り抜ける。するとそこから先は川と川の間に挟まれた土手の道で、たぶん地元の人が散歩などで使うのだと思うが、ちゃんと踏み固められた土の道だった。
※左の山が金生山。
とはいえまだ草が残っているのでふかふかのじゅうたんみたいで走りにくいが気持ちが良い。脚への負担もすくなかろう。くじいたりしないようにだけ気をつける。
両側の川にはカモたちがたくさん集まっていて、言うまでもなく彼らに対して何もするつもりはないのだが、わたしが近づきある一定の距離になるとバタバタバタバタと水を跳ねながら飛び立つ。
まるでドミノみたいに。
しばらくして今度は国道21号と交差する。通路が狭くなりこりゃ行き止まりかなと思ったが、なんとか向こう側に抜けることができた。ラッキーと思ったら、先の道はこのありよう。
枯れ草が道を覆い5m先からは「道なき道」のようではないか。地元の人もこの先にはいかないに違いない。
後戻りも少々厄介なので覚悟を決めて突き進む。本当にラッキーだったのは次の橋まで300m足らずだったことだ。
たどり着いた道はクルマではたまに通る知った道だった。東に向かって直進すれば、行きに紹介した北大垣駅の前に出る。
いつも通っている道もつまらないので橋を渡ってすぐ右折し、またしても川沿いに蛇行しながら進むことにする。砂利が新しく敷き詰められていたので一瞬気づかなかったが、この道は通ったことがあったことにすぐ気がついた。
前の水路にはカモが陽射しを受けて気持ちよさそうに泳いでいた。
直線距離で100mほど先にある東海道線を昔に比べるとずいぶんと短い貨物列車が走ってきた。今はあっという間に終わってしまって貨車の数を数えるまでもない。
すぐ裏の家の犬がわたしを見つけてけたたましく吠えた。ちゃんと仕事してるエライ犬だ。
■できれば同じ道ではなく
以前この道を走ったときは、東海道線の下をくぐりぬけた後土手を下って近鉄・養老線を横切りJRの車両メンテナンスを行う車庫の前を通り大垣市中心部へと向かったのだった。
今回は「当然」逆の方向へ--つまり進行方向右へ右へと向かっていくことにした。
右へ。
これも右の道を選択。
こういう岐路というのは面白い。人生に似ている。
こくぞうさんを出ておよそ45分。小さな池のある公園に着いた。
階段を下りてみる。南一色公園。聞いたことがある。そうだ、市民向けに家庭菜園用の土地を貸し出している河川敷の公園だ。橋の上から見たことはあるがきたのははじめて。
何人かの方が畑仕事に精を出していた。散策してみる。杭瀬川に近づいてみてハタと気づいた。この川の向こう側はすぐ例の場所じゃないか。
土手に上がって再び走りだそうとしたとき、わたしの横を一人の外国人ランナーがいいペースで走りぬけて行った。
■思いがけず思い出の場所へ
また新たな橋にたどり着く。この橋もまたクルマでは何度も通っている橋だが、自分の脚で渡ったのは数えるほどにすぎない。
「源氏大橋」と書いてある。まずまず美しい曲線を持った橋である。まだ新しい。立派な歩道が両側についていて走りやすい。
眼下の河川敷に1本だけのピンクの花を持った樹を見つける。早咲きの桜だろうか。
※左上の山は金生山。
橋を目指す市街地のほうではなく垂井方面へと走る。渡り切ったところで土手を下りモンチとの忘れられない思い出の場所へ。偶然だけど偶然ではない気がしてしまう。うさぎにもお彼岸は関係あるのかな。ならば初彼岸となる。
再び橋を戻る。
もうあとは勝手知ったる場所を走るばかり。そうか。だったら「あそこ」にも寄って「あの道」を行こうと考える。
「あそこ」。お世話になった動物病院。親身になって何度も助けていただいた。感謝。
「あの道」沿いの工場。萌える気持ちはわからなくもない。「萌え」という字面が少々気色悪いけれど。
病院へと通った「あの道」を走る。大垣公園にも春っぽい陽気に誘われて大勢の人がまだ休日を楽しんでいた。
こうして、全行程きっかり3時間、移動距離約20㎞のマラニックが無事終わった。
《おしまい》
〈その1へ戻る〉
赤坂宿から杭瀬川を渡って、車ならそのまままっすぐ行くところだが、思い立って川沿いに右折することにした。はじめて走る道は、それがどうということのないみちであっても多少はワクワク・ウキウキするものだ。
川沿いに900mほど走るとやや交通量のある県道と交差。道の下を潜り抜ける。するとそこから先は川と川の間に挟まれた土手の道で、たぶん地元の人が散歩などで使うのだと思うが、ちゃんと踏み固められた土の道だった。
※左の山が金生山。
とはいえまだ草が残っているのでふかふかのじゅうたんみたいで走りにくいが気持ちが良い。脚への負担もすくなかろう。くじいたりしないようにだけ気をつける。
両側の川にはカモたちがたくさん集まっていて、言うまでもなく彼らに対して何もするつもりはないのだが、わたしが近づきある一定の距離になるとバタバタバタバタと水を跳ねながら飛び立つ。
まるでドミノみたいに。
しばらくして今度は国道21号と交差する。通路が狭くなりこりゃ行き止まりかなと思ったが、なんとか向こう側に抜けることができた。ラッキーと思ったら、先の道はこのありよう。
枯れ草が道を覆い5m先からは「道なき道」のようではないか。地元の人もこの先にはいかないに違いない。
後戻りも少々厄介なので覚悟を決めて突き進む。本当にラッキーだったのは次の橋まで300m足らずだったことだ。
たどり着いた道はクルマではたまに通る知った道だった。東に向かって直進すれば、行きに紹介した北大垣駅の前に出る。
いつも通っている道もつまらないので橋を渡ってすぐ右折し、またしても川沿いに蛇行しながら進むことにする。砂利が新しく敷き詰められていたので一瞬気づかなかったが、この道は通ったことがあったことにすぐ気がついた。
前の水路にはカモが陽射しを受けて気持ちよさそうに泳いでいた。
直線距離で100mほど先にある東海道線を昔に比べるとずいぶんと短い貨物列車が走ってきた。今はあっという間に終わってしまって貨車の数を数えるまでもない。
すぐ裏の家の犬がわたしを見つけてけたたましく吠えた。ちゃんと仕事してるエライ犬だ。
■できれば同じ道ではなく
以前この道を走ったときは、東海道線の下をくぐりぬけた後土手を下って近鉄・養老線を横切りJRの車両メンテナンスを行う車庫の前を通り大垣市中心部へと向かったのだった。
今回は「当然」逆の方向へ--つまり進行方向右へ右へと向かっていくことにした。
右へ。
これも右の道を選択。
こういう岐路というのは面白い。人生に似ている。
こくぞうさんを出ておよそ45分。小さな池のある公園に着いた。
階段を下りてみる。南一色公園。聞いたことがある。そうだ、市民向けに家庭菜園用の土地を貸し出している河川敷の公園だ。橋の上から見たことはあるがきたのははじめて。
何人かの方が畑仕事に精を出していた。散策してみる。杭瀬川に近づいてみてハタと気づいた。この川の向こう側はすぐ例の場所じゃないか。
土手に上がって再び走りだそうとしたとき、わたしの横を一人の外国人ランナーがいいペースで走りぬけて行った。
■思いがけず思い出の場所へ
また新たな橋にたどり着く。この橋もまたクルマでは何度も通っている橋だが、自分の脚で渡ったのは数えるほどにすぎない。
「源氏大橋」と書いてある。まずまず美しい曲線を持った橋である。まだ新しい。立派な歩道が両側についていて走りやすい。
眼下の河川敷に1本だけのピンクの花を持った樹を見つける。早咲きの桜だろうか。
※左上の山は金生山。
橋を目指す市街地のほうではなく垂井方面へと走る。渡り切ったところで土手を下りモンチとの忘れられない思い出の場所へ。偶然だけど偶然ではない気がしてしまう。うさぎにもお彼岸は関係あるのかな。ならば初彼岸となる。
再び橋を戻る。
もうあとは勝手知ったる場所を走るばかり。そうか。だったら「あそこ」にも寄って「あの道」を行こうと考える。
「あそこ」。お世話になった動物病院。親身になって何度も助けていただいた。感謝。
「あの道」沿いの工場。萌える気持ちはわからなくもない。「萌え」という字面が少々気色悪いけれど。
病院へと通った「あの道」を走る。大垣公園にも春っぽい陽気に誘われて大勢の人がまだ休日を楽しんでいた。
こうして、全行程きっかり3時間、移動距離約20㎞のマラニックが無事終わった。
《おしまい》
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笠縫堤、赤坂宿、こくぞうさん、源氏大橋。
こくぞうさんは、まずは早歩きでって思うんですが、
いつも打ちのめされます(*_*)
工場写真、私には、ドストライクです。!(^^)!
あの、ごちゃごちゃ感、無駄なものがありそうで
無い、ほんとは使ってない配管あるんじゃーないの~感が大好きです。
楽しみながら一気に読みました。
読み応えありました。
自分で読み返したら誤字は多いしちょっと恥ずかしくなりましたが書きなぐりに近いのでご容赦ください。
ジョグノートの方でも少し前にこくぞうさんの坂の写真載せられてる日記を読みました。よく行かれるんですね。
あの坂でトレーニングしたらきっと速くなりますよ。もう少し近ければしょっちゅう行きたいところなんですが。
よかったらまたおいでください。