その薔薇は、たった一輪
長いこと深紅の蕾を育てていたが
かさなりあったそのページの
自らの重さゆえに、くずおれた。
それでも咲こうとしている薔薇を
花畑から切ってきた。
だいじょうぶ。
どっしりとした一輪挿しに
水を満たして、支えよう。
その意思のような、
花のページが
余すところなくひらくまで。
笑みほころぶ光の春は近いのだから。
その薔薇は、たった一輪
長いこと深紅の蕾を育てていたが
かさなりあったそのページの
自らの重さゆえに、くずおれた。
それでも咲こうとしている薔薇を
花畑から切ってきた。
だいじょうぶ。
どっしりとした一輪挿しに
水を満たして、支えよう。
その意思のような、
花のページが
余すところなくひらくまで。
笑みほころぶ光の春は近いのだから。