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新聞記事の一部:
「愛の不時着」にハマって
韓国ドラマ「愛の不時着」人気が続いている。日韓関係が冷え込むなか、
南北朝鮮に生きる主人公らが織りなす物語にはまる人たちは、
その「沼」の中になにを見ているのだろうかー。
温 又柔 おん ゆうじゅうさん 小説家
両親は台湾人 3歳から日本に住む
世界の見え方が一変ドラマ
「何となく怖い」といったネガティブな北朝鮮のイメージから
なかなか自由なれませんでした。だからこそ、「愛の不時着」を見た
ことで変われたのが、うれしいのです。
ただ面白いだけでなく、見る前と後では、自分の世界の見え方がガラッと
変わってしまうような作品と出会うたびに、
これぞ真のエンターテインメント、と興奮します。
ドラマのおかげで、自分の中の世界地図で黒く塗りつぶされていた北朝鮮が、
色彩を帯びてきました。鑑賞中は、ずっと彼らのそばにいたような感じが
していましたが、今、完全に「愛の不時着ロス」です。
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長丁場 他者理解のお手本
内田 樹 うちだ たつるさん 思想家
朝鮮半島について日本社会でかたるのは、ハードルが少し高い。
私は「他者」との共存には、自由な「語り」が欠かせないと考えているので、
語りづらさをフィクションの力で乗り越えたのは大きな功績だと思います。
「愛の不時着って何がいいの?」と聞かれて、2人の恋に力点を置いて
語ろうとは思いません。
むしろ、記憶に残っているのは2人を取り巻く登場人物のラブリーさ
(かわいらしさ)です。とりわけリ・ジョンヒョクの部下4人組を始めとした
北朝鮮の人たちが魅力的。最初のうちは、権威と暴力がモノを言う社会で
生きている人のステレオタイプを再生産するかのように描かれている。
ところが全16話、長丁場で細かなエピソードを積み重ねていくにつれ、
キャラクターの個性がのぞき始めます。
「典型」から入り、時間をかけてはみ出していく手法が、共感を得たのでしょう。
私には、この構造自体が他者理解のお手本になっているようい思えました。
よくわからない相手でも、時間をかけて見ていく。寛容や想像力に
欠けるといわれる現代社会で、私たちが見失っているのは、そんな態度かも
しれません。
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北朝鮮のことは平壌の映像をTVで見るくらいで、田舎の庶民の暮らしは
知らなかった。ここで田舎の庶民の暮らしが描かれていた。
貧しいながらも、それなりに工夫をして暮らしている。助け合っている。
そこの主婦グループも、それぞれ個性的でした。どこにでもいるような
人々で楽しい。そして平壌で暮らすセレブの人も描かれていて、その差も大きい。
皆、それぞれ悩みもある。セレブの人の悩みの方が深刻かも。