教育、医療、介護、障がい者福祉など
暮らしを支える基盤強く
井出 英策氏 慶応大学教授
Q: コロナ禍が突き付けた日本の社会の問題は。
A: コロナ禍は日本の社会が抱える問題を「可視化」してくれた。
特に、セーフティーネットと呼ばれる暮らしを支えるための基本が、
あまりにも「もろい」ことがよく分かった。
例えば、日本には先進国では常識の低所得層向けの住宅手当がない。
休校中の子供の育児で仕事を休んだ親や、自粛要請に協力した人に対する
所得保障の仕組みも持っていない。そうした社会保障がないから、突然、
失業や収入減少といった危機に直面した人は慌ててしまう。
結局、国民のパニックを抑えるには、現金を配る選択肢
しか残されていなかった。この脆弱な社会をいかにつくり替えて
いくかという議論を始めるべきだ。
Q: どのように、つくり替えていうくのか。
A: 今回の一律10万円給付は、富裕層も含めて全ての人に配ったから、
国民に支持された。しかし、誰もが必要とする、もしくは必要になる
可能性がある教育、医療、介護、障がい者福祉といった
「ベーシック・サービス」を税財源で無償提供することを提案してきた。
予算規模で比較すると、一律10万円給付は約13兆円、与党の尽力で
始まった幼児教育・保育の無償化の今年度予算は約9000億円だ。
13兆円は、幼保無償化を15年近く続けられるほどの莫大な金額だ。
現金給付や減税のような「お金」で返す方法よりも、生存と生活を保障する
サービスを無償化に近づけた方が、全ての人が将来不安から解放され、
安心して暮らせる社会をつくれる。
Q: B.サービスを無償化に近づけるために必要な考え方は。
A: 結婚を諦め、子どもや持ち家、いろいろなことを我慢し、
歯を食いしばっ生きている人が大勢いる。人間は、自分の生活が
安全・安心にならない限り、他者を思いやることは難しい。だからこそ、
重要なのは全ての人の生活防衛だ。
経済は低成長を続け、少子高齢化が進む中、これから長い停滞の時代に
入っていく。コロナ禍はその一部にしか過ぎない。
本当の危機はこれからやってくる。
これまでは、経済を成長させ、自分の力で稼ぎ、自己責任で生きてきたが、
危機の時代は無理だ。社会全体が連帯する新たな仕組みが求められている。
一部の人、たとえば貧しい人だけを助けようとすれば、中間層や富裕層は、
これをねたむ。危機の時代には、大勢の人が困っている。
心の底から「困っている人のために」と思うのであれば「皆のために」と
いうべきだ。
。。。
一刻も早く、セーフティーネットが張られた日本になってほしいと、
これを読んで、つくづく思いました。
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今朝のワイドショーを見たら、熱中症の話題でした。
女性のコメンテーターは、冷房に弱いということでした。
そのような人も、寝る時はエアコンを適切に使用してほしいということです。
寒いと感じる人は長袖のパジャマを着たり、布団を掛けたりする。
寝ている間、冷えた空気を吸うことで、体内が冷えて熱中症を防げるとのことです。
エアコンの電気代を気にする人もいるけれど、一晩中、8時間使用しても
120円ほどだそうです。
そして、新しいエアコンは古いものと比べると、夏の間、3ヶ月使用したと
して、約1万円くらい電気代が安いそうです。