ヒマヒマノキ ~歩いて、見て、楽しんで~

庭園・街の花、まつり・名所。いろいろな出会いを,その時々の想いを交えて、皆様にお届けします。

「北海道ガーデン」を提唱する 上野ファーム~北海道ガーデン紀行6~

2018-07-25 | 旅行
北海道ガーデン巡りの旅の締めくくりは、旭川市にある「上野ファーム}です。
「上野ファーム」は、今や北海道を代表するガーデンの一つになっています。





この「上野ファーム」のヘッドガーデナーを務めているのは、上野砂由紀さん。NHKテレビでも紹介されているそうですから、お名前をご存知の方も多いと思います。
上野さんは、イギリス留学を契機に2000年頃から米農家の実家でガーデンづくりを始め、そのガーデンを一般に公開してきました。

上野さんを一躍有名にしたのが、倉本聰さんが脚本を書き、2008年10月~12月にかけてフジテレビで放映されたテレビドラマ「風のガーデン」です。
上野さんは、倉本聰さんの依頼で、このテレビドラマの舞台となった「風のガーデン」を富良野市につくりました。
「風のガーデン」もまた北海道の代表的なガーデンの一つです。

この「風のガーデン」のほかにも、上野さんは、前回紹介した「大雪森のガーデン」のガーデナーとして「森の花園」のデザインも務めています。

「上野ファーム」は10のゾーンから構成されていますが、ここはその中の「ノームの庭」とよばれるゾーンです。
ノームとは庭の小人(精霊)のことのようです。

















いろいろなゾーンがありました。ご覧ください。

















上野さんはこんなふうに話してくれました。

「今日はご覧いただいた通りです。これが来週・再来週と日がたつにつれ、花の背丈も変わり、咲く花も変わり、風景が異なってくるんですよ。」

そんな話を聞きながら、上野さんが、英国で学んだイングリッシュガーデンを踏まえ、北海道の気候・風土・環境に根差し、伸び伸び成長する様々な植物の表情をデザインする、独自の「北海道ガーデン」を目指しているのだと、私なりに感じました。

おそらく、そのことが「北海道ガーデン街道」を構成しているガーデンやファームに共通していることなのでしょう。





















北海道のガーデンでみた植物は、背丈が高かったり、葉が大きかったり、花が色鮮やかだったり、同じような種類の花の仲間でも、東京近辺で見かけるものとはだいぶ感じが違っています。
植物がもつ力を北海道の自然のままに引き出してやること、それが北海道のガーデニングのように思いました。















ところで、上野さんは、とてもキュートでチャーミングな女性です。そのあふれる情熱は一体どこから生まれてくるのでしょうか。
今回のバス旅で、素敵な人との出会いがここにもありました。

      



「上野ファーム」の白樺の小道はまさに北海道です。春先早々はクリスマスローズで彩られるのだそうです。また訪れてみたい、そう思いつつ旅を終えました。(完)

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ゆったりした時間の 大雪森のガーデン ~北海道ガーデン紀行5~

2018-07-23 | 旅行
北海道のガーデンの5カ所目、「大雪森のガーデン」を紹介します。
「大雪森のガーデン」は、上川町に位置し、石狩川が流れる層雲峡にほど近く、また大雪山の山々を望むことができる地にあります。





このガーデンでは、この地方で見られる植物、大雪山の高山植物や北海道に自生する植物が、二つのゾーンにわけて、自然な形で植えられていました。
そのせいでしょうか、ガーデンといった堅苦しい雰囲気は全く感じません。











この花は、北海道でもこのガーデンでしか見ることができない、幻のケシといわれる「ヒマラヤの青いケシ」(学名:メコノプシス)だそうです。











     

園内は散策路にそって花を楽しめるようになっています。珍しい花も見ることができました。案内のスタッフの方が時折花の名前を教えてくれるのですが、聞いたそばから頭からこぼれ落ちていきます。
カタカナが覚えられないという年のせいもありますが、このガーデンに設置されている有名レストラン「フラッテロ・ディ・ミクニ」の昼食(イタリアン)に関心が向いていたせいもあります(笑)。

















これは、北海道ではよく見かけるのだそうですが、本州などではあまりみることができない「弦アジサイ」です。



大雪の山並みを望むロケーションということもあるのでしょうか、このガーデンではとりわけ時間がゆっくりと過ぎていくようで、私たち自身が自然の中に溶け込んでいくように感じました。

素敵で、可憐で、清楚で、きれいで・・・。素晴らしい花たちですという以外にとても説明できません。とにもかくにも、カメラに収めた花たちをご覧ください。




















これは俳句の夏の季語になっている「半夏生(はんげしょう)」です。花は夏至のころに咲くのだそうですが、花が咲く時期になると葉の一部が白くなり、化粧をしたように見える(半化粧)ことから名付けられたとのこと。










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鮮やかな色の帯 四季彩の丘 ~北海道ガーデン紀行4~

2018-07-20 | 旅行
北海道のバス旅。4カ所目は美瑛町の「四季彩の丘」です。

旭川空港にも近い「四季彩の丘」は、花畑が、丘陵地帯に鮮やかな色の帯となって広がるガーデン(農園)です。
入口の建物を入ると、色彩豊かな花畑が目に飛び込んできました。
何といえばいいのでしょうか。案内サイトには「パッチワーク柄の景色」という言葉がありました。まさにそのとおりです。



「四季彩の丘」は、幾何学的にデザインされた花畑で、いわば人工的な美を堪能することができるようになっています。
開花する時期やその状況によって、さまざまな表情を見せてくれるようです。

アップダウンの丘陵地帯ということで、見学はほとんどの人が「トラクターバス」を利用していました。
トラクターバスというのは、大型トラクターが引っ張る乗り物です。このトラクターのタイヤの大きいこと。トラクターバスが風景に見事に溶け込んで、何かしら懐かしささえ感じます。













観光客は、ところどころで「バス」から降りて花畑をカメラに収めるわけです。









園内の花壇もいいですね。











周囲を見回せば、緑が絨毯のように広がっています。気持ちも大きくなってきます。これぞ北海道です。







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ラベンダーの絨毯 富田ファーム ~北海道ガーデン紀行3~

2018-07-16 | 旅行
今回のバス旅で見たかったもの、その一つがラベンダー畑でした。畑一面に広がるラベンダーの花。写真ではよく見ますが、それを目の当たりにしたいと思っていました。

旭川空港の南に中富良野町があります。そこにあるのが「富田ファーム」です。
ここは道内のラベンダー畑で最も有名なところ。夏空がひろがる中ファームに行くと、隣接する駐車場には車があふれ、園内は大変な数の観光客です。



富田ファームの案内パンフによると、1958年(昭和33年)にラベンダーオイルを生産するために栽培されたのが始まりで、1970年(昭和45年)には、富良野地方に約250戸の生産農家があったとか。しかし、その後社会状況の急激な変化で生産農家が激減。3年後には富良野地方のラベンダー農家は富田家一軒のみとなったそうです。

それが、1974年(昭和51年)に当時の国鉄(現JR)のカレンダーに紹介されたことをきっかけに観光客が増えだし、栽培を維持・拡大することにつながって、現在の姿になったようです。
大変な苦労の連続だったことでしょう。

ファームのラベンダーは、青空のもとで紫の絨毯を敷き詰めたように咲いていました。おそらく今はもっと色濃くさらに見事に咲いているのではないかと思います。





















ラベンダー畑の脇のエリアでは、マリーゴールドやベゴニアなどでしょうか、赤や黄色の花が咲き、ファーム全体を鮮やかに彩っていました。
北海道ならではの花の力を見た思いがしました。















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紫竹おばあちゃんの紫竹ガーデン ~北海道ガーデン紀行2~

2018-07-14 | 旅行
十勝ヒルズの次に訪れたのが「紫竹ガーデン」です。
紫竹ガーデンは、帯広市の郊外にあります。帯広空港にも比較的近いところです。



“北海道はでっかいどう” この言葉をバスの中でガイドさんから何度も聞きました。なぜかなつかしい言葉です。
とにかく広いです。大きいです。ガーデンの中も、外も。小さいことにこだわって生きている自分を反省したくなります。

ただ広いというだけでなく、緑が素敵なのです。機械的に植えられた作物までもが本当に美しいのです。











紫竹ガーデンは、1989年に紫竹昭葉さんが始めたところ。昭葉さんはピンクの服がよく似合う、上品でとてもかわいいおばあちゃん。お客さんの大人気の人です。
“うちの案内人です”と説明があった飼い猫も有名なんだそうです。確かに園内を案内するかのように歩きだしました。





「園内の花は、昭葉さんが歩きながら適当に種をまいてるんです」との説明。どこまで本当かわかりませんが、これにはお客さんもどっと笑っていました。
そういわれてみると、特別にデザインされたという感じではありません。花たちは、ごく自然に思い思いに咲いているようです。

























急に話が飛びますが、このガーデンの朝食バイキングがとてもおいしかったです。
実は朝食はホテルではなく、このガーデンで食べたのですが、野菜、煮物、ソーセージ、フルーツなどなど家庭的な味がして本当にグーでした。

そうそう、花たちが素敵だったことはいうまでもありません。


















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 雨の十勝ヒルズ ~北海道ガーデン紀行 1~

2018-07-12 | 旅行
北海道のバス旅に参加しました。北海道に行くのは確か10年ぶりのことです。
今回は、大雪・富良野・十勝を結ぶ全長約250㎞の「街道」に点在している代表的なガーデン等を巡るバス旅でした。

名称はガーデンとかファームなどと様々ですが、それぞれの施設のコンセプトのもとに敷地がレイアウトされ、北海道の気候とその成長を考慮していろいろな花が植えられています。
どのファーム等でも、本州ではあまり見ることができないたくさんの花を見ることができました。

まず最初に訪れたのが、幕別町にある「十勝ヒルズ」です。十勝ヒルズは、帯広空港からバスで30分くらいのところにあります。



十勝ヒルズに限らず訪れたファーム等はどこも広いですが、次の写真でその様子を感じていただけますでしょうか。



























十勝ヒルズはあいにくの雨模様でした。寒い日が続いていたせいもあって開花状況は今一つでしたが、雨に濡れた美しい花をみることができ、素敵な時間を過ごすことができました。



























雨に濡れた花。何とかカメラに納めました。





ところで、それぞれの花にはもちろん名前がありますが、舌を咬みそうな名前の花もあり、とても覚えられません。ご容赦ください(笑)

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お帰りなさい ~福島市・花見山公園~

2018-06-02 | 旅行
今も週に1度リハビリに行っています。いつものようにデイケア施設の玄関を入ると、「お帰りなさい!」の明るい声が飛び込んできました。
声の主は、明るいスタッフ揃いの施設の中で、さりげない冗談を言っては和ませるMさん。

「こんにちは」ではなくて「お帰りなさい」。とっさの「お帰りなさい」の言葉は、“今日も元気で来てくれるのを待ってたんですよ”の気持ちがにじみ出ていて、いいなと思いました。

先日半年ぶりに福島に行きました。お寺で母の法要をしてもらうことが目的でした。いつもの街並み、いつもの車の行き交い。いつもの人通り。聞き慣れた音。決して閑散としているわけではないのに、なんとなくもの静かに感じられるのです。母がいなくなったことで、ふるさとを見失ったかのようです。

母が好きだった花見山公園に行ってみました。入口近くのアヤメを横目で見ながら、公園にたどり着きました。小さな池にもアヤメです。
しかし、今や桜の名所として全国的に知られるようになった花見山も、さすがにこの時期は新緑に覆われ、ほとんど花がありません。



         







          

            

他には訪れている人はほとんどいないようです。小道沿いに、いくつかの花を見つけました。山を整備している家の方の心配りなのかもしれません。







          





         

入口付近を散策した後、ベンチに座り、山の風景を見回しました。静かです。小鳥のさえずりが聞こえています。ツバメが軒下のヒナに餌を運んでいるようです。
何気ないゆっくりとした時間。ふるさとの母の思い出。確かな思い出があるからこそのふるさとです。

「お帰りなさい」。母の声を聞いたような思いがしました。
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その気になれば 気になる木 ~会津若松市御薬園・都内の公園で~

2018-05-19 | 旅行
あちらこちらぶらぶらしていると、「あれっ どこかで見たような気がする」と思う光景に出会うことがあります。
その一つが昭和記念公園(立川市)の「みんなの原っぱ」にあるケヤキ。もちろん形状的には違いますが、私は、なんとなく日立のCMに出てくる「気になる木」の雰囲気を感じるんです。



日立のCMの「気になる木」は、ハワイオアフ島にあるモンキーポッドという木なんだそうですが、この木は、傘のように大きく横に広がった大樹で、高さ25㍍、幅40㍍、胴回り7㍍の大樹です。(日立の樹オンライン「日立の樹について」より)

上野公園には、寛永寺の清水観音堂があります。ちょっとした舞台づくりで、不忍池を見下ろすような感じになっているのですが、その舞台の前にあるのが「月の松」です。平成24年(2012年)に復元されたもので、造園技術でつくられたものだそうです。





どこかに丸く見える木はないかと歩いていましたら、丸というよりは「U」ですが、会津若松市の御薬園の庭にこんな木(松かもしれません。)がありました。



こちらは角度的に円く見える桜の木です。小金井公園(小金井市)の江戸東京たてもの園の前の庭で見つけました。



まあ、どちらかといえば「U」ですが、六義園(文京区)の小道でも見ました(かなり苦しいですがー。)。




細長いY字形のものはよく目にします。

小金井公園です。

    

文京区の六義園です。

    

上野公園です。

    

ついにはマニアックになってきてしまいました。ふと気が付いたのですが、OKマークのように見える枝ぶりの木は結構あるんですね。「ムリムリ、そうは見えないよ」とお叱りいただくかもしれませんが、そこは広いお気持ちでご覧ください(笑)。

小金井公園です。たてもの園の堀の前です。小さな木ですがー。

    

これを反対側から見るとこうです。

    

新宿御苑(新宿区)です。

    

昭和記念公園です。



上野公園です。



六義園です。



我ながら相当にヒマだなと思いながらも、紹介させていただきました。お笑いください。

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粋な計らい ~会津若松市 御薬園~

2018-04-30 | 旅行
1年ぶりに会津若松市を訪れました。義兄の一周忌でした。去年の春、義兄は満開の桜の下で旅立ったのです。
今年はあまりに暖かい陽気のため、若松の桜もGWに入る前にすでに咲き終わっていました。しかし、久しぶりに親戚が出会い思い出を語る中で、私たちが思い出を共有しながら生きていることを改めて感じていました。

この機会にこれまで見学したことがなかった「御薬園」に行ってみました。正門には、ソメイヨシノではありませんが一本の山桜が咲いていました。義兄はやはり桜に縁がある人なんですね。



この庭園は、会津松平藩の初代藩主保科正之が、それまでに建てられていた会津藩の別荘を再建し(1643年)、これを受けて、2代目藩主保科正経が薬草を栽培整備し(1670年)、さらに3代目藩主松平正容(まさかた)が朝鮮人参の栽培を民間に奨励した(1684年~1687年)ことから、御薬園と呼ばれるようになったのだそうです。(御薬園パンフレット)

正門をくぐって中に入ると、ズミの花です。ちょっとさきの薬用植物標本園には、藤の花が咲いていました。





庭園は池泉回遊式で、それほど広いものではありませんが、心字の池を中心に、由緒ある建物や松の木などが配置され、すばらしい風情を醸し出しています。











円い月のような、幹の曲がり具合はおもしろいですね。この円の中に入ったのを確認してもらえると幸せが訪れるかもしれません。もちろん私の勝手な解釈です(笑)



池は数百年にわたって、おそらく四季折々の姿を絶えず水面に映し出してきたことでしょう。





集まった人たちは、会津若松からそれぞれ自宅に帰っていきました。
磐越西線を郡山で乗り変え、新幹線で東京に戻ろうとしたところ、異なる日に、しかも別々に座席指定券を手配していたにもかかわらず、今回集まった親戚の一人となんと席が隣り合わせになったのです。GW前半とはいえ、さなかのことです。

本当に全くの偶然です。義兄の粋な計らいとでもいうべき出来事でした。不思議なことってあるものですね。おかげで話に花を咲かせながら、帰京することができました
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光にたたずむ社殿 ~宮島・厳島神社~

2017-12-14 | 旅行
広島に行く機会がありました。厳島神社を訪ねてみることにしました。JR広島駅から山陽本線を宮島口駅で降り、肌寒い風の中を駅から桟橋へ向かいました。12月も半ばというのに、フェリーは宮島に渡る客であふれていました。青く澄んだ空と陽光がきらめく海を眺めているうちに、まもなく大鳥居が見えてきました。その向こうには厳島神社が小さく見えています。そうこうするうちにあっという間に宮島の桟橋です。





案内板を確かめるまでもなく、人並みは自然と厳島神社に続いていきます。外国人観光客には鹿が珍しいのでしょうか、あちらこちらで鹿と一緒にカメラに収まっています。
駅を出てすぐ近くの広場に立つのは平清盛像です。海に浮かぶ社殿ばかりに関心がいって、宮島が平家ゆかりの地であることをすっかり忘れていました。
清盛公の社殿造営(1146年頃~)が、ほぼ今の社殿の姿になっているとのことですから、神社の建物の多くが国宝や重要文化財として指定されているというのもうなづけます。

神社の歴史を紹介するサイトには、神社が593年(推古元年)に創建されたと紹介されています。その厳島神社は、1996年(平成8年)に世界文化遺産に登録され20年を過ぎていますが、その間2009年(平成21年)には、同じく世界文化遺産となっているフランスの修道院の島モン・サン・ミッシェルと友好都市関係が結ばれています。
神社の造営から900年近い時を経て、厳島神社が世界的に知られる宗教建築物の一つとなっていると清盛公がお知りになれば、さぞや驚かれることでしょう。

海に浮かぶ朱塗りの社殿には冬の光が射し込み、冷え冷えとした影をつくり、神社を取り巻く波をきらめかせていました。
光は私たちのあり様を厳しく問うているようです。一方で私たちに力を与えてくれているようにも思えます。どんなに厳しくても生き抜いていきなさいと告げてくれているように思うのです。

神様、私たちが平和に暮らしていくことができますよう、どうかお守りください。





























































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襲い掛かる波、荒ぶる海 ~石川県志賀町・巌門~

2017-11-20 | 旅行
金沢市から北の方向に、日本海に突き出た半島があります。能登半島です。この海岸線を中心とした一帯は能登半島国定公園に指定されています。半島の西側の海岸は「外浦」と呼ばれ、日本海の荒波に浸食された奇岩などを見ることができる景勝地になっています。
その景勝地の一つで、志賀町にある「巌門(がんもん)」に行ってみました。定期観光バスです。ガイドさんの名調子を聞きながら、名所旧跡を訪ねるのも久方ぶりです。

七尾で乗車した観光バスは、晴れ間も見える天候の中を走り出しました。しかし、急にどんよりした雲が広がったかと思うと、突然の大粒の雨。しかもあられ混じりです。今の時期、晴れ間よりも曇りの日が多く、しかもその天候は急変すると言われる北陸地方。「弁当忘れても、傘を忘れるな」と言われる土地なのだそうです。それだからなのでしょうか、地元の人はごく当たり前のように灰色の雲を受け止めているようでした。

海岸沿いを行くバスから見える海も一見穏やかな光景を見せていましたが、次第に荒々しくなっていきました。日本海のイメージは厳しく荒く海岸を襲う波。これから冬を迎える日本海は冷酷さを増していくのでしょうか。
しばらくして到着した「巌門」は、まさにそうした荒ぶる波によってつくられた洞門でした。



バスを降りて海岸まで下っていくと、激しく波が押し寄せ、岩々を洗う光景が目に飛び込んできました。「巌門」の大きさは、幅6m、高さ15m、奥行き60mとか。断崖にぽっかり開いた空洞を、繰り返し繰り返し波が突き抜けていきます。感嘆する光景というよりも、見る者を飲み込もうとしているかのような光景です。襲おうとしているようです。
猛威をふるう波の姿に、私は茫然として立ち尽くしていました。

(巌門に向かう途中の穏やかな海)








(巌門)



























































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秋の金沢城 ~ 日本の城 10 ~

2017-11-19 | 旅行
兼六園が多くの見学客であふれているのに較べ、隣接する金沢城(公園)は、人は少なく静かでした。



金沢城は、その歴史を見ると、1580年(天正8年)佐久間盛政によって築城され、3年後に前田利家が入城して以来、歴代藩主により城の整備が図られたとHPで紹介されています。
城は、金沢市の中心部に位置しており、まさに加賀百万石にふさわしい広さです。公園として整備が進められてきた城郭は、復元されたものが多いようですが、一部は重要文化財となっています。残念ながら天守閣は1602年(慶長7年)に焼失しており、今はその姿を見ることはできません。

どの城もそうですが、戦いの上に築かれそして政治の中心としてその地域を形づくってきました。金沢市の今日の発展と活気ある状況を見るにつけ、金沢城はその典型のように感じます。
城の石垣は、いわば町の歴史を見つめ支えてきたものです。そう思うとき、石垣を見るたびに、どのような人間模様が繰り広げられてきたか、喜怒哀楽があったのか、歴史を紐解いてみたくなります。それが旅の効用なのかもしれません。









































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百万石の紅葉そして水面に映える緑 ~金沢:兼六園~

2017-11-18 | 旅行
何年ぶりになるでしょうか、本当に久方ぶりの金沢です。北陸新幹線で金沢駅を降りるとまず駅舎に驚きました。駅東口にある壮大なオブジェともいうべき鼓門。機能的でかつ利用者の便を考慮した東口と西口の広場。二つの広場を結ぶ通路の広々とした空間。私の金沢のイメージは一変してしまいました。
目立つのは外国人観光客の多さ。そして誰もが手にしているスマホ。今やスマホは、「どこでもドア」のような役割を果たす必須アイテムなんですね。

さて金沢と言えば、やはり兼六園です。早速にフリー乗車券を買い求め、周遊バスに乗り、兼六園を訪ねました。バスも満員でしたが、園内を見学する人の多いこと。ぶらぶら散策するというより、大げさに言えば列をなし、グループをなしてぞろぞろ歩くといった感じです。



11月半ばでしたが、園内の樹々は紅葉に彩られ、まさに見頃。松には雪つりが施され、池の水面は、青空を背景に、紅葉した樹々や古風な松の枝ぶりなどを映し出しています。その風情をいたるところでスマホに収める人たち。江戸と平成の歴史がミックスしたような光景です。
兼六園の解説は不要でしょう。紹介サイトをどうぞご覧ください。今回は、紅葉と池の水面の写真をお楽しみください。

(兼六園の紅葉)




























(水面の光景)










































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黄色の輝き ~福島・あづま総合運動公園のイチョウ並木~

2017-11-07 | 旅行
紅葉のたよりが各地から届いています。山々の紅葉は見頃が過ぎつつあるようですが、街中ではハナミズキやイチョウなどきれいに色づいている光景を目にします。イチョウの黄葉といえば、東京では、これからの時期が見頃となる神宮外苑の銀杏並木でしょうか。

福島では、あづま総合運動公園のイチョウの黄葉がよく知られています。運動公園は福島市の西の方に位置しています。久しぶりに黄葉を見に行くこととしました。車を大駐車場に止めると早速に色づく木々が目に飛び込んできました。



駐車場から並木の通りのほうに降りていくと、なんと素晴らしい光景です。ゆるやかな坂の上に立ち、通りを見下ろすと通りの両側のイチョウは見事に黄金色に彩られています。青空のもとで日差しが強く降り注げば、黄色の輝きは一段と素晴らしいものになって、見る人を感動させてくれることでしょう。
イチョウの木の中にはギンナンの実をたわわにつけているものもあります。枝が垂れ下がるほどに実をつける様を見るのは初めてです。
400~500メートルほどのイチョウ並木が「くの字」に続いている中をゆっくりゆっくり歩いて黄葉を楽しみました。

福島の平日・夕方近くでしたので、人はそう多くはありませんでした。それでも、散策を楽しむ姿が結構見られ、また高齢者施設に入居している方たちでしょうか、スタッフに付き添われて黄葉を楽しむ姿も見られました。ここは、JR福島駅から車で20分程度のロケーションで、しかも駐車台数が相当ある駐車場が完備されていますから、これが東京なら押すな押すなの人だかりになること間違いなしです。皆様是非お出かけください。

黄色一色の光景をカメラに収めるのはなかなかに難しいものです。「素敵な写真とブログをいつも楽しみにしています」と言ってくださるKさん、今回はいかがでしょうか。
褒められるとついつい舞い上がる歳になっています。ご容赦下さい(笑)。
金平先生の「ひと言の思いやり」を改めてかみしめています。


































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紅葉そして風 ~高山・西穂高千石尾根~

2017-10-22 | 旅行
岐阜の高山市にでかけました。高山市はこれまで二度ほど訪れたことがありましたが、高山からバスで1時間半ほどの穂高のロープウェイはなぜか二度とも雨。今回も秋の長雨が続く中、どうかなと心配しながらの訪問でしたが、なんと1日だけ晴れの日にめぐまれました。そこで、高山から路線バスで平湯を経由してロープウェイに向かいました。

標高が高くなるにつれ、車窓から黄や赤の木々が見られるようになっていきます。終着の停留所を降りるとロープウェイ乗り場はすぐ目の前。早速にロープウェイに乗ると、山々の紅葉が目に飛び込んできました。




四季の中でも秋の美しい光景は一瞬です。光景が一瞬であるからこそ、なおさらのこと感動を覚えるのでしょうか。遠くにたなびく雲。雲の海。眼前に迫る荒々しく雄々しくそびえるアルプスの山々。焼岳。西穂高。槍ヶ岳・・・。

考えてみれば、四季は、早い遅いはあれ当然のように流れ移ろっていきます。四季の光景を目の前にして癒されるとか感動すると思うのは、私たちが都市化した環境の中でいかに埋没して生活しているか、いわばその裏返しのようなものです。自然の側からみれば、毎年のことなのに、人間はこうも感情を躍らせる生き物かと笑っているかもしれません。

しかし、広大な空と雲に心安らぎ、雄大な山並みに心が支えられる自然に、やはり畏敬の念を感じます。小さな自分のありようを気づかせてくれます。力を抜いて生きていくことを考えさせてくれます。

中島みゆきさんの歌に「風にならないか」という歌があります。
中島みゆきさんは、「むずかしい言葉は自分を守ったかい 振り回す刃は自分を守ったかい」と歌い出し、そして「二度とだれかを傷つけたくはない されど自分が傷つきたくもない 互い違いに心は揺れる あてにならぬ地図を持ち ただ立ちすくんでいる もう風にならないか ねぇ風にならないか」と結んでいます。
この歌を思い出しながら、高山を後にしました。









































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