中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

凶悪な事件の解決

2008-02-22 17:20:24 | 身辺雑記
 8年前の7月の夜に大阪で、アルバイトから帰宅しようとしていた中国人留学生の女性が、自転車に乗った男にバッグを奪われた上に刺殺された。通りすがりの男性会社員が追いかけたが、やはり刺されて負傷し、犯人は逃走して足取りがつかめなくなり捜査は難航していた。

 今月1日の夜、やはり大阪の複合商業ビルのトイレで神戸の会社員が刺殺され、1週間後に58歳の無職の男が自首して逮捕された。「盗みをしようと準備しているところを目撃され、警察に突き出されると思い、ナイフで刺した」と供述しているという。

 この男のDNA型が8年前の留学生殺人事件の現場に残されていた犯人のDNA型と一致した。今後はこの事件にも関与した疑いで取調べが行われる。

 留学生殺人事件は、当時から私の胸の中に重く蟠っていた。日本が好きで留学し、殺害された時には、中国に住む交際相手の男性と携帯電話で話していて、その男性は携帯電話の向こうで叫んでいる恋人の最後の声を聞いたという記事を読んで暗然とした。もちろん何の面識もないけれども、その留学生がひどく哀れに思われて、その後ニュースにもならなくなったが、喫茶店矢飲食店で夜遅く働いている中国人の若い女性を見たりした時には事件を思い出していたし、東京の会社に勤めている上海人の施路敏が、友達と遊んで遅く帰る時などは心配した。何とか解決すればと願ってもいたから、今回図らずも解決の方向に向かいそうなことになり安堵した。しかし、それもまた1人の若い生命が理不尽に奪われたことが契機なのだから、犯人である凶暴な男には心底怒りを覚える。

 留学生の交際相手だった男性は「当然の天罰」と言っているようだが、まさに「天網恢恢疎にして漏らさず」という心境なのだろうと想像する。だがこの事件の場合はともかく、現実には天網にも綻びがあってなかなかそうもいかず、時効になって迷宮入りになってしまう事件も少なからずあるようで、それを補っていく警察の地道な努力や、犯罪捜査に関わる科学や技術の発展も欠かせない。今回は最先端のDNA型の鑑定の結果だったが、これからもこのような技術が進歩して、凶悪な事件が解決されていくことを願う。