中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

十年祭

2008-02-24 20:16:11 | 身辺雑記
 妻が逝って10年になった。我が家の宗教は神道なので、西宮市内の越木岩神社という由緒ある神社で、十年祭を執り行ってもらった。命日は28日だが、息子達の勤めや孫達の学校のこともあるので、日曜日の今日にした。

 10年の歳月はまたたく間に過ぎた。十年一昔と言うが、10年もたったのかと何か信じられないような気もする。神道ののりとは聞いていても意味が分かる。そして故人の経歴や人柄などを詳しく述べるので、祭壇に置いた妻の写真を見ながら聞いていると、辛抱強く病の進行に耐えていた妻の最後の頃の姿など、改めていろいろなことが心に甦ってきて、やはり涙ぐんでしまった。

 終わって、家族揃って中国料理のレストランで食事をした。妻との最後の別れをした時に、泣きじゃくりながら妻の胸の上に花束を置いた当時小学校3年生だった孫娘は、この春から女子大生になる。目に涙をためて妻を見送った小学校1年生の孫息子は高校生で、家族中の誰よりも背が高くなった。葬儀の最中に疲れて眠ってしまい、母親に抱かれて見送った2人の孫娘の1人は中学3年生に、もう1人も中学に進学する。やはり10年の歳月は孫たちをそれぞれ成長させた。この席に妻がいたら、孫達の様子を見てどんなに嬉しがることだろうと、孫達にパッチャンと呼ばれていた妻の幸せそうな笑顔が見えるような思いがした。

 10年の歳月は私にも平等に流れ、ずっと独りの生活を続けてきたが、それなりに慣れてはきている。しかし独りの寂しさには慣れることはない。何かのことですぐに妻を思い出して、寂しいなあとしみじみ思うことはよくある。十年祭の次は二十年祭。85歳になるその時まで生きられるかは分からないが、これからもおそらく妻への懐かしさと、妻がいない寂しさを抱えながら過ごしていくのだろう。