Sさんは初夏の彩りを描かれました。
「ふじの花」 水彩画 F6
なんという艶やかさ!長い房を垂らしたフジの花は今まさに最盛期で
甘い香り漂う周囲を飛び交うハナバチの羽音さえ聞こえてきそうです。
一輪一輪綿密に彩色された花、よく観察された若葉、どっしりとした蔓、
地面に落ちた影、全てに魂がこめられ晴れやかな表情をしています。
近づいてみました。
鉛筆での下描きの線は細く丁寧で、明暗をつけることはあまりなく
淡い透明水彩絵の具を少しずつ重ねることでバランスをとってゆき
ます。じっくりと模索しながら目指すところへまっすぐ進む制作姿勢が
静かな画面に爽やかな風とまばゆいほどの光をもたらしています。
枚数を重ねる毎に色調の幅が広がり濃厚さと迫力が増してきました。
過去の作品はHP「上郷の森 日本画教室」内の“作品集”の中の
Sさんのページに制作順に掲載されています。ぜひこちらもご覧下さい。