松明と鬼面の行事

2019年07月11日 | 但馬の祭礼・儀式
  円山川の河口は、城崎温泉を横目に湖のような広さ
              

(但馬ふるさとづくり協会転載許可済)
平成26年 第9回但馬検定(2級)問題より

【57】燃えさかる松明の炎で古鬼面姿に木鉾を持った鬼をた
たき、その年の無病息災を願うまつりを何と言うでしょうか。

(a)松岡御柱まつり       (b)竹田松明祭
(c)愛宕の火祭り        (d)まいそうまつり


正解は、(d)のまいそうまつりです。
「まいそうまつり」は、養父市大屋町宮本の御井神社で1月
14日に行われる珍しい火の祭りです。
神代の昔、泥海であったこの地で、3艘の船で神様が見回り
をしていました。2艘の行方が分からなくなり、神々は「な
いそうや」といって探し回ります。
1艘は大屋町の宮本で、さらに「まいっそうや(もう1艘な
い)」と言いながら探すと、養父市船谷で見つかりました。

「アッター、アッター」と舞う「御船祭(みふねまつり)」
として伝えられました。
実際の祭りでは、参詣者は神主から御神火から点火された松
明を持ち、鬼役の3人に松明を叩きつけ「マーイソーナイ」
とはやし立て追い払う行事です。この年の無病息災を願う珍
しい行事です。

ちなみに、(a)の松岡御柱まつりは、日高町松岡・十二所
神社で4月14日夕刻に行われる「ばば焼き」と言う火の祭
りです。
(b)の竹田松明祭は、和田山町竹田の愛宕神社で7月23日
に行われる火伏の祭りです。
(c)の愛宕の火祭りは、出石町中村の愛宕神社で8月下旬に
行われる、火の用心と無病息災、家内安全を願う火の祭りです。

但馬の里は一年中、とてもたくさんの祭りで賑わいます。


『~さる』

但馬の人は丁寧に言う時、「~さる」と言います。
「なになに、しとんさる」と言えば、「なになに、されてい
ます」の丁寧言葉です。
親戚のおばさんが、家に訪ねてこられることも、
「親戚のおばさんが、あした来んさるよ」と言います。

「もうすぐやって来られますね」と言う時は、
「さ~で来んさるでひょ~な」と言います。

但馬の人は、言葉の最後に「~さる」と付けて、丁寧に表現
したつもりです。