五穀豊穣の行事

2019年07月13日 | 但馬の祭礼・儀式
           府中小学校体育館
              

(但馬ふるさとづくり協会転載許可済)
平成26年 第9回但馬検定(2級)問題より

【59】但馬の伝統行事で、その年の五穀豊穣や地域の発展な
どを願って行う行事は、次のどれでしょうか。

(a)大わらじ奉納      (b)但馬久谷菖蒲綱引き
(c)三川権現大祭      (d)幟まわし


正解は、(b)の但馬久谷菖蒲綱引きです。
但馬には、月遅れの端午の節句(6月5日)に菖蒲で綱を作
って、それを曳きあう伝統行事があります。
新温泉町久谷・八幡神社の「但馬久谷の菖蒲綱引き」、新
温泉町湯の「湯村の菖蒲綱引き」、香美町村岡区和田の
「和田菖蒲綱引き」があります。

「但馬久谷菖蒲綱引き」は、7回目の勝負を「納め綱」と呼
び、勝負の結果でその年の豊作を占う、五穀豊穣を願う行事
です。
「湯村」は、100m以上の大綱引きで、住民や観光客の親
睦を高める行事です。
「和田」は、「和田の大蛇伝説」に由来した村の親睦を深め
る行事です。どの行事も、とても賑わう有名なものなのです。

ちなみに、(a)の大わらじ奉納は、日高町田ノ口や養父市
安井で続く、大わらじや大草履を賽の神に奉納する神事です。
(c)の三川権現大祭は、香美町香住区三川の三川権現社で
5月3日に行われる護摩供の祭りです。
(d)の幟まわしは、豊岡市出石町宮内の出石神社で5月5日
に行われる、初節句を迎える家に5本の幟(のぼり)をもって
まわる行事です。


『~なった』

但馬弁の特徴の一つは、言葉の語尾に「~なった」と付ける事
です。「~しなった」は「~された」の意味に、「~きなった」
は「~来られた」の意味です。

但馬の独特の語尾の付け方「~なった」は、丁寧な言葉つきで
あり、優しい心遣いの言葉でもあるのです。