今夜も本をまくらに。

山歩きが好き、落語が好き、おいしい物が好き、中島みゆきが好き、
でもやっぱり活字がなければ生きていけない私。

そらをみてます ないてます

2012年05月02日 | 「本」のひきだし

ブクログより


椎名誠の作品というと、私小説的なもの、SF的なもの、アドベンチャー的なもの、あと写真集、と大まかにこれくらいに分けられると思うが、その中で私は圧倒的に私小説が好きで、とりわけ学校を出て
ちゃんと仕事に就くまでの、まさに青春という時代の話が好きだ。

真っ黒い顔をほころばせて、ビールをぐびぐび飲んでいるイメージの椎名さんからは想像もつかない、それは暗くて、退廃的かつ暴力を伴い、恐ろしくてやるせない話だ。

今回の作品もそういう時代を経て結婚に至るまで続いている。が私小説だけではなくて、アドベンチャー的な話が時代を交差しながら進んでいき、話の終わりにはふたつの物語の次元がちょうど合うという、ちょっと凝った構成になっている。

これで椎名さんの独身時代の私小説は完結したのかな。
あとは子供時代から独立するまでの話が抜けているけど、これはちょっと複雑そうで小説化は無理なのかなぁ、読んでみたいけど。


そらをみてます ないてます / 椎名誠
★★★★☆
コメント (4)
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