ブクログより
もうなんて言うんでしょう・・・
いろんなことそれこそ昔からの積み重ねで、子供たちから一線を引かれてしまった秋代70歳代。
そんな秋代のもとに長女の交際相手だという男が現れる。
いつまでたっても紹介してくれないから一人で合いに来ました。いずれ家族になるんだから、とかなんとか調子のいいことを言ってたびたびやってくる。
そんな怪しげな男、突っぱねるべきなのに子供たちから相手にしてもらえない秋代は寂しさからつい相手をしてしまう。
それから、長男、その妻、次男、その妻そして長女の立場で、子供の頃からの思い出とともに今の状態になるまでの顛末が語られる。
「三人の子供が異常な性格をしているとは思えない。欠点もあるけれど長所もたくさんあってその混ざり合い具合は、そんなに人並みに外れているとは思えない」と思い返している秋代は、いわゆる毒母というのではないが、ちょっと無神経な言動をしてしまうところがある。
顛末を読む限りはちょっと双方問題ありなんじゃないかと思ってしまう。
妻たちもだんだん夫のその本性に気づき始めるが子供を抱えて身動きが取れない。
我慢できずに家を出た妻たちは、夫の妹の家に行く。
女同士、思いのたけをぶちまける、ぶちまける。
これが妻同士なら、愚痴、悪口で終わって進展はないと思うが、妹、つまり小姑が入っているので、幼い頃からの環境や、生い立ちや、家族の様子を聞きながら、初めて聞く話に、あきれたり怒ったり、心を痛めたりと、しているうちにもつれて絡まった毛糸玉の糸口が見つかり、するするとほどけるように、彼女たちの気持ちは知らず知らずほぐれていく。
そこに当の夫や母親までが呼び出されまたもや話し合い。
今までのわだかまりでお互いぎこちないながらも、だんだん誤解は解けて、ハッピーエンドとなるかと思いきや、なんだ?最後のこの展開は?
この場に秋代に付きまとっていた男が現れ、妹の家に同居していた女(他人)ともつながっていた。
他人の家に入り込み食住を提供してもらっているという。
それも無理やりではなく、その家族に迎え入れてもらって。
今回の顛末には彼らの影響がなかったとは言えないが、彼らのこの行動には賛同できない。だましあいとか、そう言うのでもない。
異様とすら思える。
ちょっと私にない異ジャンルでありました。