ブクログより
こんな奇跡があったらいいなぁ。
人生捨てたもんじゃないなぁと思わせてくれるような。
盲目の書評家よう子は、出版社の担当者、希子と話しているうちに、エッセーのようなものを書くようになり、やがて短編小説を書くようになる。
一方、神楽坂の路地裏で古書店を営む本間、商売は行き詰まり、私生活もうまくいかず、活路が見いだせないでいた。
担当者希子は本間の書店の常連、やがてよう子と本間の接点に気づき、大イベントを立ち上げる計画を立てる。
どん詰まりの本間に異存があるわけはなく、うらぶれた古書店は、大変貌を遂げ、彼らの青春がよみがえる。
主人公のよう子は盲目だが、そのことについての悲観や、挫折などにはあまり踏み込まず、ただ淡々と幼少期からの様子が描かれているのがいい。
母親との葛藤みたいのがちょっと中途半端な気がしたけど、それもまあこの話においてあまり重要ではないのだろう。
でもまあ、出版社と古書店とのタイアップの成果というか、そもそものアイデア、こんなの現実にありそう。
本が売れない売れないという前に、こういった楽しいイベントや、行ってみたいなと思わせるようなお店作りをしたら人も集められるんじゃないかな。
少し遠くてもこんなお店があったら絶対通いたいです。
ぼくもだよ。神楽坂の木曜日の奇跡 / 平岡陽明